目次
メタートレーダー(MT4)で解説
このページではまだFXの右も左も分からない方向けに前半では移動平均線は何日にすべき?など、かなり初歩的な内容から解説し、後半部分で重要なラインのエントリーの仕方、リスクの少ない取引方法について解説をしておりますので、ある程度経験を積まれている方は前半部分は読み飛ばしていただければと思います。
FXのチャートって株式投資に比べれば複雑と言われますが、その通りです。
ただ稼いでらっしゃるトレーダーの方もありとあらゆるところを読み取っているわけではなく、自身が優位性があると見込んでいる箇所でエントリーをしているだけです。
このページではFXで稼ぎ続ける為に必要なチャートの見方をきちんと解説をさせていただきます。
まずチャートの見方の解説に当たってはメタートレーダー(MT4)というトレードツールを用いて解説をさせていただきます。チャートはそれぞれのツールで違えど、世界中の皆が同じ値動きを見ています。
またここからお話しをさせていただくことはMT4でなければ理解できないわけではありませんので、MT4を使っていない方も読み進めていただければと思います。
ちなみにMT4は無料でダウンロードができるツールで、どこかの証券会社に口座開設していなければ使えないわけではありません。※デモ口座の開設が必要な場合もあります。
また証券会社によってMT4を取り扱っているところとそうでない会社があります。
MT4をダウンロードできる会社はいくつかありますが、それぞれの会社の違いは表示できる通貨とできない通貨があるということです。
下記はOANDAというFX会社のMT4で取り扱っている通貨ペアですが、ずらっと通貨ペアが表示されていますが、会社によってはこの通貨ペアが少ないということです。
皆様がトレードされる通貨は米ドル円やユーロドル、ポンドドル、ユーロ円、ポンド円、豪ドル、豪円といったところがメインかと思います。
メジャーな通貨はどの会社のMT4でも取り扱っているので、どちらかのFX会社でダウンロードしてください。
色々な証券会社のMT4を比べてみたいという方は「MT4 デモ口座」でYahooやGoogle検索されれば色々な証券会社がヒットするかと思います。
さて本題に入りますが、まずは4時間足チャートを表示させます。
4時間足を表示させた後はチャートを読み解くに際して、必要な情報をチャートに表示させなければなりません。
上記の図のようではどこか重要なポイントでどこが比較的安全なエントリーポイントか分かりませんよね。
では何を表示するか?まず移動平均線(MA)です。移動平均線にもSMA、EMAなど種類がありますが、それぞれの移動平均線の解説は省略させていただきますが、私はEMAを使っています。
移動平均線は何日に設定すべきか?
移動平均線は何日を表示すべきかですが、絶対的なものはありませんが、20日MAもしくは21日MAが良いかと思います。そしてもう一本は75日移動平均線で良いと思います。
75日移動平均線は海外勢も注目をしている日数です。
まずはこの二本で十分です。
よく有りがちなのが、たくさんの移動平均線を表示させておかないと見落としがあって機会損失を被ったり損失が発生すると誤解されますが、それは違います。
下記の図のようにたくさんの移動平均線を表示させ過ぎるとかえってどれを基準にエントリーすれば良いか分からなくなったり、今の相場の環境認識が曖昧になるので、まずは前述した二本で十分です。20や21日MA、また75日はよく意識されているので、この二本から始めて下さい。
稼いでらっしゃるトレーダーの方のブログの画像やツイッターにアップしているトレード画像を見ても、意外にあれこれと複雑に色んな移動平均線を表示させたり、水平線、トレンドラインを引いたりしていないかと思います。人が見つけていないポイントを見つけてトレードするというよりも誰もが意識している分かりやすいところのみに線を引いて相場を監視しておられる方も多いです。
人があまり意識していないところは皆が意識していないわけですからあまりサポートラインやレジスタンスラインとして効かないことも多いので誤解なさらないようご注意下さい。
移動平均線で何を判断する?
買いでエントリーするか、売りでエントリーするかの決定にあたって、まずは上目線か下目線か?どちらかの目線を決めるということです。
その目線を決めるにあたって、まず最初に見るべきポイントは移動平均線の向きです。
下記画像の黒線は21日EMA、青線は75日EMAです。画像内の紫の枠で囲った部分を見てみると黒線も青線も分かりやすい下向きになっていますよね。
これはつまり下降トレンド中、目線は下ということです。
目線は下なんだから必ずエントリーは売り(ショート)ということではなく、とりあえずの目線は下というだけであって今後お話しする他の条件と組み合わせて最終的にどうエントリーするかを判断します。
この短期足、長期足共に線が下を向いていると言う事をかみ砕いて表現すると、長期的にも短期的にも下落しているということです。
次に下記画像の紫の枠をご覧ください。21日EMA(黒線)はやや横向き、75日EMA(青線)は上向きになっています。
これをかみ砕いて表現すれば、”長期的には上昇トレンドだけど、最近上昇しなくなってきた”です。
そして茶色の枠は”長期的には上昇トレンドだけど、最近下落してきた”です。
この移動平均線は向きも大切ですし、角度も大切です。
急な角度は相場参加者が何らかの要因によって下げに転じたわけで、例えば世界経済に大きな不安要素が噴出した場合などは大口が買いでポジションを持っていたものを利益確定の売りを行った。あるいは買いで参加していた投資家が売り(ショート)でトレードをするようになったなどです。
分かりやすいトレンドの状態とは?
チャートを見て分かりやすい状態とはどういう状態を言うのでしょうか?
まず移動平均線の向き、次に順番、そして価格の位置です。
例えば上記左の紫枠付近をご覧いただくと、移動平均線の向きは21日EMA(黒線)75日EMA(青線)、それぞれ角度は違いますがどちらも上向きになっています。移動平均線が急な角度になるのはローソク足がどういう状態になった時にそうなるかなど関係性を理解しておくことでより相場の理解が深まります。これは他のことについても言えることですがきちんと根拠、理由を把握することは極めて重要です。
そして順番というのは上から21日EMA→75日EMAになっているということです。順番が変わったという状態は同じ画像の茶色の枠部分です。
75日EMAが上にあって21日EMAが下にある状態は分かりやすい上昇トレンド状態とは言えないということです。
そして価格の位置とは左の紫の枠付近をご覧いただくと21日EMAと75日EMAの上にローソク足が表示されていますよね。これが明確な上昇トレンドということです。
逆に右のピンクの枠部分は二つのEMAよりも価格が下にあるので明らかな下降トレンド中ということです。
厳密にどのトレンドの中にあるかはダウ理論に基づいてお話しできますが、ここでそれを話すと本旨からズレるので省略致します。
まずは移動平均線のみで上昇トレンドか下降トレンドかをご判断下さい。
水平線の役割や引き方
まず移動平均線のみを表示させましたが、次に水平線を引いてみましょう。
水平線ってどこにどういう風に引けばいいのか?と初心者の方は思われますが、あえて言えば何度も価格が止められている線、そして最近の最高値、最安値などです。
下記画像の最高値・最安値に赤い太線、何度か止められている箇所に紫の水平線を引きました。
分かりやすいように太線にしたので微妙に位置がズレているように見えますが何度か価格が止まっているので水平線を引きました。
そもそも水平線とは何の役割があるかと言うと、その水平線の位置で価格が止まるわけでもなければエントリーをする位置でもありません。
要するにご自分が意識を向ける為の線に過ぎません。ですから仮に非常に分かりやすい箇所のみに水平線を引けば、ご自身がその部分に対して意識を向けるというだけのお話です。
どんな水平線でもいずれそのラインは突破されたりするわけで、必ずこの水平線で価格が止まる、サポートされるなど事前に分かる方は世界の誰一人として分かりません。
たくさんの水平線を引けば、それだけたくさんの意識を向けられるわけですが、仮にサポートラインの場合、その価格がサポートされて反発をするのか、そのサポートラインを割り込んで価格が割り込んでいくのかは他の要因と絡めて考えなければいけないということです。
トレンドラインの役割や引き方
次にトレンドラインを引いてみましょう。
トレンドラインも水平線同様に何本も引けてしまいますが、どのトレンドラインが非常に効くラインなのか?それは誰にも分かりません。
なぜならキレイにそのトレンドラインで価格が止められていたからといって、次もそのラインに到達した時に価格が止まるのか突破するのかは誰にも分からないからです。
下記画像で分かりやすい箇所のみにトレンドラインを引いてみました。
この分かりやすい箇所というのは多くの投資家が意識するところであり、意識するということはそれだけ売り買いが拮抗するところです。
どんなラインであっても皆が意識をするラインは、そのラインを突破させようという勢力と、そこを突破させないでおこうとする勢力がぶつかり合います。
ここがFXが難しいと感じさせている点かもしれませんが、どんな投資家であろうと必ずこうなるという未来は誰にも分からないわけでチャートの形や相場状況を判断して強いと思う方にエントリーをするだけです。
つまり重要なサポートラインがあり、他の要因も絡めて考えるとロングエントリーをしようとする勢力が勝つであろうと思うからロングエントリーをするわけです。
要するに10対0の勝負ではなく、重要なラインというのは最初は売りも買いも激しくやり合うわけですが、いずれどちらかが降参をして、その勝負に勝った側の方向に価格は進んでいきます。
下記画像の黒丸の部分をご覧ください。
まず紫の水平線と青のトレンドラインが交差をしています。更にその少し上に下向きの21日EMA(黒線)があります。
ここは絶好の戻り売りを意識させる場面です。
なぜ売りエントリーなのかは後述致しますが、要するに相場参加者の多くがここは戻り売りポイントと認識をしているから
最終的に陽線にはなっているけれど、紫と青のラインにタッチした後に戻されているわけです。
ただこの交差している時点で必ず戻される(下落)していくかどうかは誰にも分からないということです。
FXは常に多くの方が思っている方向にエントリーをしてついていくだけのものです。
それは時に当たることもあれば外れることもあるのがFX。
しかし最初の頃ってハズレてばかり、ロングポジションを損切りした後に上昇するし、利確した後に更に伸びる…。そういうことの連続だと思います。
でも全く問題ありません。それは当たり前のように通る道だと思っておいて下さい。
話を戻しますが、ここで重要なポイントは、いくつもの条件が絡んでいる状況ほど皆、同じ思惑を持ちやすいということです。
例えば紫の水平線だけある場合と、紫水平線+青トレンドラインがある場合、さらにその二つに加えて価格の少し上にMAがある。
こういう風に価格を上げさせないぞ!って思う何かが上にあればあるほど人は上昇しにくいという心理を抱くわけで、ここでは売りエントリーが正解です。
ただ売りエントリーが正解ですが、必ず下落するとは限りません。絶対がないのがFXですから。
まだ始めたばかりの頃は負けたくないので絶対的に安全なポイントを探します。
しかしそのようなポイントはなく、FXは優位性のあるエントリーをすると、よく言われますが優位性というのはあくまで優位なだけであって、絶対性ではありません。
相場参加者の8割が買いであろう、2割の参加者が売りであろう。そういう売り買いの二択の中で強い方にエントリーをするのが優位性のあるエントリーであり、FX投資です。
長期トレンドは簡単に変わらない
FXを始めたばかりの頃は往々にしてエントリーポイントを見誤ります。
下記画像の黒丸部分は先ほどの売りエントリーを意識させるポイントです。あくまで意識をするポイントであって必ずエントリーすべきポイントというわけではありませんので。
初心者の方が見誤る理由として直近のローソク足だけを見てエントリーをするからエントリーをした逆の方向に進んでしまうのです。
例えば上の画像でいえば黒丸の一本前、二本前のローソク足は陽線をつけていて上昇しています。※画像内の矢印部分
そしてこれから価格は上昇する!と思ってロングエントリーをしてしまいます。
つまり目先の動きだけでエントリー判断をしてしまうのです。
まず相場というのはトレンドがあり、最も大きな流れを作るのが長期トレンドです。
このトレンドのお話しは意外に大切ですので、もう少し詳しくお話しをさせていただきますと長期トレンドというのはその国の経済状況が関係してきます。
下記画像はトルコリラ円の4時間足チャートです。一目で分かりますが超下落トレンドです。
極端な話、ショートエントリーをして放置しておけば、勝手に利益が増えていくチャートです。
なぜここまで下落しているかというとトルコは昨年クーデターが起こったり、極めて政情が不安定な状態にあります。(2017年1月現在)
こういう国が不安定な状況って一日で変わりますか?一週間で変わりますか?ということです。
どこかの会社にお勤めの方で会社の業績が悪化した場合、それを回復させるのにどれくらいの期間がかかりますか?ということです。
こういう長期トレンドが発生している場合はとにかく少し価格が戻してきたなと思えば、そこから売りが入ってどんどん下落のパターンです。
このチャートを見ればトルコという国の不安定さが容易に分かりますよね。
つまり何が言いたいかというと長期トレンドというのは簡単に変わるものではないということです。
通貨でお話しをするから複雑になるのかもしれませんが、株式投資をされたご経験がない方でもご自身で購入した株はその企業の業績がアップすれば儲かる。その程度はお分かりかと思います。
それと同じでその国の通貨を買って何かメリットある?儲かる?それがないなら大口は買って来ないということです。
大口が買わないから大きなトレンドが発生しないのです。
なぜここまで長期トレンドをお話しするかと言うと、基本的には大きなトレンドの中に中期トレンドがあり、さらにその中に短期のトレンドがあるからです。
マトリョーシカ人形のような感じですかね。大には中も小も含まれている。例え、中や小を考える時も大は無視できないということです。
これが目線の補助的な役目をしてくれるのです。
ですから基本的には売りという目線を持って、あとはチャートからどこで売りを仕掛けるかを探るだけということです。
正しいエントリーポイントとは?
下記画像は先ほどのトルコリラ円の4時間足チャートの一部を拡大したものです。
①から⑤のヒゲにかけて青色でトレンドラインを引きました。
このトレンドラインを⑪で初めて価格が割りましたが戻されて陽線、⑫も同様に一度トレンドラインを割ったけれども最終的に戻されて陽線になっています。
そして⑬で長い陰線になって下落しました。
果たしてエントリーポイントはどこになるのでしょうか?
①~⑯で一度お考えになってみて下さい。
さて順番に見ていきましょう。
最初に注目すべきポイントは⑧です。75日EMA(青線)を大きく突き抜けるも最終的に長い上髭をつけています。つまり上昇させようとしたけれども思うように上昇しなかったのが見て取れます。
ここまでの段階において
・大きなトレンドとしてはトルコリラ円は下落トレンドなので目線的には下。
・4時間足の⑧の段階では上昇を試みるも失敗。
⑧の段階で何を思うか、どういう風に考えるかは人それぞれで絶対的にこう考えなければいけないというものはありません。
次に注目すべきポイントは⑪です。ここで青のトレンドラインを割ってきました。
今は結果が分かっているからトレンドラインを割りはしたが、戻されていると分かりますがリアルタイムで見ているとトレンドラインを割ったと思って飛び乗ってしまう方もいらっしゃると思います。
FXで勝ち続ける為には極力安全と思えるところでエントリーをしなくてはなりません。
トレンドラインを割ったからといってそこから下降していくかどうかは分かりません。
ですので⑪でトレンドラインを割っても、それは様子見をしておく段階です。
⑪は様子見として⑫を見ます。ここも青のトレンドラインを一度割ってはいるけれど、最終的には戻されています。
ここで何を思うかが重要なんです。
相場の多くの局面では上目線をする勢力と、下目線を持つ勢力がぶつかり合いますが、重要なのはその両者の考えていることを理解しなければなりません。
まず⑫のローソク足までを見て上目線になる方の理由
- ⑪の高値よりも⑫の高値の方が上である
- ⑪の安値よりも⑫の安値の方が上である
- ⑪に続いて⑫もトレンドライン割れをしたが結果的に戻している
反対に⑫のローソク足までを見て下目線になる方の理由
- ⑫は⑩の高値を越えることができていない(下記画像のピンク線を参照)
- ⑩の高値と⑫の高値でダブルトップを形成
- ⑫のローソク足の実体が21日EMA(黒線)を明確に越えることができていない。つまり21日EMA(黒線)がレジスタンスラインとしての機能を果たしている
人それぞれの見方があるかと思いますが、分かりやすいところで言えばこういった感じの視点です。
上目線、下目線を踏まえて⑬のローソク足が始まるわけですが、当然始まった段階でロングもショートもエントリーをすべきではありません。
ここでエントリーをしてしまうのは、単なるなんとなく下がる(上がる)気がするといった根拠の薄い”なんとなくトレード”です。
ではどこで下がると判断すべきかですが下記画像をご覧ください。
⑧と⑫を結んだピンクのトレンドラインを引きました。
まず⑬が始まった段階では少し上昇しようと短い上髭ができています。しかし瞬間的にピンクのトレンドラインを上抜けはしたものの、下落を始めます。
ここでピンクのトレンドラインは超えるのは難しそうという一つ目の根拠ができました。
次に①と⑤を結んだ青のトレンドラインも割りました。これが二つ目の根拠。
そして21日EMA(黒線)も割りました。これが三つ目の根拠。
こういう風にして意識されている部分で上抜け、下抜けをすることで根拠が出来上がり、その複数の根拠の積み上げによって相場参加者が同じ方向にエントリーをするのです。
この三つの根拠でもそれなりに手堅い根拠にはなりますが、更に手堅い根拠を…ということであれば、どこを見るかと言うと下記の画像の二本の紫の横線にご注目下さい。
この二本の紫の横線は⑪の安値から横に引いたもの、⑫の安値から横に引いたものになり、ここを下抜けすることで更に手堅い根拠になります。
⑪の安値を下抜ければ、相場参加者のほとんどが下目線になるでしょう。
ここからエントリーをすればかなり手堅いわけですが、この⑬の長い陰線はリアルタイムで見ていると、どこまで長い陰線になるか分かりません。
FXは必ず極めて安全だと思える箇所であればあるほど反対勢力は少ないですが、自分と同じ方向を向いている勢力も自分がエントリーをした後に追随してどんどんエントリーをしてきてくれるかどうかは分かりません。
例えば⑬のローソク足で長い陰線をどんどん形成しているものの、乗り遅れたと思って飛び乗る方もいらっしゃるでしょうが、ここから売りエントリーをするのは怖いと思って乗らない方もいます。
ですから手堅いエントリーポイントと言っても、あまりにも安全なポイントからエントリーをしよう…と考えすぎるとかえって危険な場合もあることを理解しておいてください。
ここまでの説明で少しはチャートの見方を理解していただいたかもしれませんが、こういう解説をすると結果が分かっているから言えるんだとか後付けだと言う方がいらっしゃいますが決して売りを決めるポイント、買いを決めるポイントを解説しているわけではなく、考え方をお伝えしているだけです。
つまりこの局面においてはチャートが下落をしていたのでそのチャートに沿って解説をしただけです。逆に上昇局面であれば、上昇の根拠を積み上げていけば良いだけです。
例えば21日EMA(黒線)を明確に上抜けした。あるいはトレンドラインを上抜けした。更に75日EMA(青線)も上抜けしたなど。
ですから、これを読み終えてまずしていただきたいこと。
それは買いでエントリーする根拠はどういうものがありますか?
逆に売りでエントリーする根拠はどういうものがありますか?
これをご自分で列記してください。
一部挙げますとロングエントリーの根拠。
21日EMA(黒線)が上を向いている。
価格が21日EMA(黒線)を明確に上抜いた。
価格が75日EMA(青線)を明確に上抜いた。
長期トレンドは上目線である。
こういう風にロングエントリーとショートエントリーそれぞれを挙げてください。
人によってはRSIやMACD、ボリンジャーバンドなどをチャートに表示させている方もいらっしゃるかと思います。
そうであれば、それぞれどうなったらロングの判断をするのかの根拠、ショートの根拠を挙げて下さい。
そしてリアルタイムで相場を見ていて、ご自分が引いたトレンドラインや水平線の位置まで価格が違づいてきたら、列記した根拠を突き合わせるわけです。
21日EMA(黒線)はロングの根拠を満たしているが、75日EMA(青線)はまだ根拠を満たしていないという風に、これは満たしているがこれは満たしていないという場面もあれば、全てを満たしている場合もあり状況によって買い、売り、見送りの三つをご判断下さい。
これを続けていくとどの根拠が強くてAの根拠とBの根拠が組み合わさった時は比較的強い根拠になるなど、今まで見えてこなかった優位性、確度の高い規則性、傾向が見えてくることでしょう。
さてもう一点、先ほどのトルコリラ円のチャートで注目すべきエントリーポイントがあります。
それは⑮のローソク足です。
この⑮のローソク足が注目すべきエントリーポイントと言える根拠を挙げますと、まず⑬のローソク足が確定した段階で相場参加者は何を思うか?
当然下落トレンドだ、あるいはここからもっと下がるはず。そう思うはずです。
間違ってもここから巻き返してどんどん上昇していくはずとは思いませんよね。
ここで一つの根拠が出来上がりました。
ただあくまで一つの根拠に過ぎず、ここですぐに売りエントリーしましょうというわけではありません。
次に⑭のローソク足に注目をしてください。陽線になっていますよね。
この陽線の意味を理解することこそ相場参加者の心理を理解することです。
皆さんも売りでも買いでもエントリーをすると必ず決済をします。
売り(ショート)エントリーをした後に決済をすると反対売買になるわけですから、買いが入るわけです。
つまり何を言いたいかと言うと⑭のローソク足は⑬で売りエントリーをした、あるいは⑬の陰線が始まる前から売りエントリーをしている方の利益確定によって陽線になっているということです。
もちろんここから買いエントリーをしている方もいらっしゃることでしょう。
しかし前述しましたように大口のファンドがここから買いだ!と思って本気でロングエントリーするかというとするわけがありません。
なぜならここからもっと下がるかもしれないと⑬のローソク足で多くの相場参加者が思っているからです。
ファンドといっても資金量に違いがありますが、いくら大口のファンドであっても相場参加者の多くが同じ方向を向いているであろうタイミングで逆を仕掛けてくることはあまりありません。
そんなところで逆張りをしても大きな損失を被るわけですから。
ですから大きな陰線でも大きな陽線でも出現すると視覚的にこれからもっと上昇する、これからもっと下落するという心理を抱かせるわけですから、⑭の利益確定を確認して⑮でエントリーをするわけです。
⑮が始まった瞬間に売りを仕掛けるわけではなく、明らかに上昇する力がない、あるいは相場参加者が買いで参入してこないのを確認して少し下げ始めたところが比較的安全なタイミングです。
ただこのように分かりやすく利益確定の戻りが入る局面もありますが、相場に勢いがある場合は戻りを作ることなく下落していきます。
下記の画像は米ドル円の2016年6月23日の4時間足チャートです。この日はイギリスで欧州連合の離脱の是非を問う国民投票が行われました。
この選挙をご存じない方の為に簡単に触れておくと、当時イギリスは欧州連合に加盟していたわけですが、離脱をすべきか残留すべきかを国民に問うということで選挙が開催されました。
イギリスが欧州連合から離脱をすることはイギリスにとってメリットは少なく、離脱をしてしまうと経済的ダメージを受けるのは明らかでありました。
事前の世論調査では残留が多数であったことから世界は残留という結果になるだろうと安心をしていました。
しかし選挙当日、残留であろうと思われていた選挙が離脱に傾き出したのです。
この国民投票は日本の選挙のように選挙の開票課程が一切分からず夜に当選確実がいきなり発表されるわけではなく、下記画像のようにリアルタイムでどちらの票が増えて行っているかを見れるわけです。
そうするとどんどん離脱の票が増えていき、今までロングポジションを持っていた方の損切り+新規の売りエントリーが一気に増えて、わずか数時間の間に約8円ほど下落をしました。
そして最終的に離脱が決定しました。
8円といえば800pipsほど。
100万通貨であれば800万円ほどの利益、10万通貨で80万ほどの利益、1万円通貨で8万円ほどの利益、1000通貨で8000円ほどの利益になります。
もちろん反対であれば損失です。
こんな時に戻りを待ってエントリーだとか、押し目を待ってエントリーなんて待っていたら乗り遅れて利益を取り損ねます。こういった大きなイベントの時はトレードをしないのも一つの選択ではありますが。
つまり何を言いたいかというと、エントリーには根拠が必要なわけですが、エントリー根拠は多ければ多いほど良い。しかしたった一つの根拠のみでエントリーをしても良いタイミングがこういうタイミングなんです。
イギリスが欧州連合を離脱すると世界的に不況になる。世界の経済に大きなリスクだと思われていたので離脱が優勢になっていくことでリスクオフを想起した相場参加者が次々売りを仕掛けてきました。
根拠の数、根拠の強弱。これをしっかりと理解してください。
最後にFXでエントリーをする際に下落して行っている時、あるいは上昇して行っている時に飛び乗るのは良いのか悪いのか?
どんな手法、どんなことでもそうですが、それ自体に良いも悪いもないことをしっかり理解をしておいて下さい。
飛び乗りはダメと解説をされているブログも多いですが、初心者の方向けの解説であれば飛び乗りを推奨するわけにもいかないのでダメと表現した方が良いのかもしれませんが、より正確な表現をすると、どんな手法でも有効な場面で使えばそれは有利なトレードであり、有効な場面でないにも関わらずそれを実行すると無謀になるだけのお話です。
これを聞いて疑問が湧くのは、相場なんて先が分からないんだから、どこが有効か無効かなんて分かるわけがないと思われるはずです。
正にそうです。
ただイギリスの国民投票で離脱に大きく傾き、どんどん米ドル円が円高に進行をしている時にロングエントリーをする人がいるでしょうか?
ロングエントリーを誰かがするとしても世界が注目するこの選挙ですから、世界のマネーがこの瞬間に市場に投入されています。
そんな時に一気に下落をしている流れに対してロング派が巻き返して、円安方向にトレンドが完全に転換するでしょうか?
エントリーするに際して強い根拠が複数あれば、より強い根拠となりますが、たった一つの根拠でもエントリーをして良い。それがこういった場面のエントリー、飛び乗りです。
しかし気を付けなければいけない点があります。
世界のマネーが米ドル円をショートエントリーしているという根拠は強大でありますが、だからといって適当に飛び乗りして良いわけではありません。
下記画像のように水平線やトレンドラインを引いて、どのラインで止まる可能性があるか?どのラインを下抜けしたらストップを巻き込んで更に伸びるか?
事前に把握しておくことです。
そしてこの国民投票の時は106.797が高値で安値は98.895まで円高進行しました。飛び乗りといってもラインを把握しておくことはもちろん、価格にも注目をしておくべきです。
例えば106.797から明らかに円高に進行し、104円で飛び乗るのと100.50辺りで飛び乗るのとでは話は全く変わりますよね。
なぜなら100円を突破して99円台まで円高になるかどうかは微妙だからです。
更に言うと為替介入をしてくる可能性もあるからです。106円から下落を始めて105円台に突入してきたからといって、ここで為替介入をしてくることは可能性としてほぼ0に近いですが101円や100円台、さらに99円台に突入した辺りは為替介入の可能性が高まるので、やはり飛び乗るには遅いです。
このようにエントリーをする根拠と同時にエントリーをしない根拠と併せて考えて最終判断をなさってください。
重要なのでもう一度言いますが、どんな手法でも有効な場面で使えば有効、そうでない場面なら無効。
誰かがこの手法は危ないからといって「そうなんだ。」といって、そこで思考停止をしないことです。
果たしてそうなのだろうか?と疑問を抱くこと。
誰だって相性の良い手法、通過ペア、時間帯などお一人おひとり違います。
スイングトレードに向いている方もいれば、長期的にポジションを保有するのは怖いと思ってスキャルピングをするなど。
人が危険、有効と判断する根拠は何か?
そのようにして探究をしていくことが技術を磨くことになるのではないかと思います。
長々とチャートの見方、読み解き方についてお話しをさせていただきました。
チャートの解説をしようと思うと本一冊分書いても、まだ書き足らないくらい書けてしまいますが、最低限必要なチャート読みをこの一つのページに記載致しました。
最低限と言ったからといってここで書かれているものを身につけても勝てないわけではありません。
この見方を理解し、実際の相場で活かせるまでになると全く異なるトレードができます。
世界中の投機家が同じものを見ています。ただ視点が異なる為に様々な思惑が混在するのです。
移動平均線を一本引けば、一つの視点が出来上がります。水平線を一本引けば異なる視点が生まれます。
その視点を創造し、待つべき時は待って、分からないところは一切トレードしない。
分からないのにトレードをするのはギャンブルです。
この記事によって少しでもFXで勝てない方が勝てるようになることを心より願っております。
最後までお付き合いいただき、誠にありがとうございました。
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