FXでも株式投資でも損小利大のトレードをしようと掲げられておりますが、これに異論を唱える方はいないでしょう。
損小利大のトレードする為に何をどうすべきなのか?何が原因で損小利大ではなく、損大利小になるのか?
ここではその辺りを深く掘り下げたいと思います。
まず損失と利益は密接に関係しているということを理解してください。利益が出たということは損失は発生せず、損失が出たということは利益は発生していないわけです。つまり利益と損失が同時に発生することはないということです。
イメージでいえば下記画像のような天秤を思い浮かべて下さい。
まずエントリーする前は画像のように損失と利益が同じ高さで保たれているわけです。そしてエントリーをすることで損失が上に行ったり利益が下に行ったり二つの高さに変化が生まれるわけです。
そこで考えるべくは損を小さくしたければ利益を伸ばすトレードを追求すれば自然に損は小さくなるということです。少し分かりにくいかもしれませんが、利益とか損失というのはあくまで結果のお話です。
チャート分析ができるようになる、チャートを高いレベルで読めるようになる。これこそが損小利大を手に入れる方法です。
もう少し具体的にお話しをさせていただきますが損失と利益を一緒に考えても見えてこないものがあるので利益は利益、損失は損失と分けて考えましょう。まずは利大を探究します。
未来予測
画像を使って解説させていただきます。※画像をクリックしていただきますと大きな画像でご覧いただけます。
まず画像左下のAとBを結んだトレンドラインを引きました。次にそのトレンドラインをコピーしてCの高値に合わせてチャネルを描画しました。
そして紫の水平線を二本引きました。
こういう線の引き方をしなければならないわけではなく、今回は説明の為に分かりやすいところのみを引いただけです。
そして①のローソク足がチャネルの中に入ったところでロングをしたと仮定をします。
さてここからが重要で利大トレードというのは未来予測がどれくらいできるかです。もっと言うなら、ここからここまで上昇するであろうという強い根拠を持っているかどうか?更にもう一ついえば、そのご自分が立てた根拠や仮説に対してどれだけ信頼しているかが重要なのです。
どこまで上昇するかというのはどこで止まるかと同義です。そのどこで価格の上昇が止まるのか?チャートを見て予測を立てるわけです。
この画像でいえば、まず紫の水平線。二本引きましたがチャートの形も常に異なるのでご自分がここのラインを突破するのは難しいだろうと思うところに引いたり、他の要因と絡めてお考え下さい。
水平線は何本も引けてしまうのであまり本数が多いとかえってどこが重要か分からなくなりますのでご注意下さい。
次に②のローソク足にご注目下さい。
②の長い陽線とチャネルの上部が重なっています。今は結果が分かっているのでチャネルを明確に上抜けたと分かりますが、リアルタイムで見ているとここで止まるかも?となりますよね。
どこで止まるかを考える時にこのラインだけでなく価格に注目されておくのも大切に思います。つまり②のチャネル上限の価格が米ドル円で言えば101.35と101.00と100.00ではその重さは全く変わってくるわけです。またチャネルやライン以外にフィボナッチで推測を立てる方もいらっしゃいます。
下記画像は同じチャートですが”S”と”T”に対してフィボナッチを引きましたが、これで仮説を立てる方もいらっしゃいます。
このような仮説を立てる判断はどのようなインジケーターでも良いですしどれが信頼度が高いと思ってらっしゃるかは個々に違いますが信頼できる根拠を見つけることができれば損小利大も見てくるはずです。
メンタルの相対性
先ほど天秤の画像をご覧いただきましたが、何も損失と利益に限ったお話しではありません。
恐怖(不信)と信頼(自信)
恐怖(不信)が小さくなるということは信頼感(自信)が増しているのでしょう。
信頼感(自信)が薄らぐということは恐怖(不信)が増大しているのでしょう。
損切りは非常に高度な自己操作
FXにおいて損切りを行うという判断や行為は私は極めて高度な技術だと思っています。
なぜなら人が普通に生きていて、自らの意思で損を確定させるという場面がほとんどないからです。
人って合理的、効率的に手に入れよう、近道を探そうという生き物です。損切り行為は全くこの逆の行為です。
例えばお金を自らの意思で捨てる人はいません。自分の意思で重い病気にかかってやろうと思いません。お金を偶発的に落とすことはあっても自らの意思で捨てる人はいませんよね。
このように自らの意思で損を確定させるというのは極めて高度な判断であると思います。
また例えば競馬や競艇の場合は1着、2着と順位が確定しまうと何をしても覆ることはなくあなたはハズレですと自らの意思とは関係なくハッキリと答えを出してくれます。
ただFXの場合は5分待ったら価格が戻ってくるかも?一日待ったら、もう少し待ったら…と白黒をハッキリとつけてくれません。
これが良いのか悪いのかは人それぞれのご意見があろうかと思いますが、損を自らの意思で行うのは意外に高度な行為だと私は認識しています。
そしてその克服には前述しましたように、一回の損切りに対してこれは損ではないんだという学習を自らの脳に与えなければなりません。
相場は毎日あり今日トレードをしても明日もあります。そういう連続性の中の一部に過ぎない。また取り戻せばいいだけ。
このように思えるまでに自己への信頼、読みへの信頼を勝ち取れば損小利大トレードは誰でも実現可能なものであると確信しています。
必ずしも意思の力は必要ない
損大利小トレードになる要因のもう一つはリアルタイムで収支額を見ていることです。
これは環境によるので該当する方、しない方と結構分かれると思いますが例えば兼業トレーダーの方でお仕事前に指値と逆指値をセットして出社される方がいらっしゃいます。また主婦の方でもエントリーをした後にパート勤めをされたり、専業主婦の方もエントリー後に家事や育児で相場監視を行っていないこともあります。
人は損を確定させたくない心理が働くと述べましたが、勘違いしてはならないのは相場やチャートを勉強しなければならないからと言ってリアルタイムで収支の変動をチェックしなければいけないわけではありません。
つまり相場を見ることと収支変動を見ることとは別であり、収支がプラスになったりマイナスになったり…。
それを見ながらそれでも損切りや利確をしない耐性や根性を身につけましょうという努力は必要ありません。
相場を常に監視をしていないと勝てないのであれば、兼業の方や相場を常に見ることができない方全てが負けなければおかしいですよね。
ではなぜリアルタイムで収支をチェックしてしまうのか?というと先ほど申し上げました、ご自分のトレードの仮説に対しての信頼度が低いことと、または安心材料である根拠が乏しいトレードをされているからが大きな原因ですがそれ以外に損失を受け入れていないことが挙げられます。
例えば損切りを5pipsに設定したとして、残念ながら損切りで決済されてしまいました。
この時の損失は一万通貨でトレードした場合500円の損失、1000通貨でトレードした場合は50円です(スプや手数料は除外)
まず損切りを置くポイントはその”お金は失います”という前提のところに置かなければなりません。
失って良いお金は一円もないのが誰でも同じですがエントリーした瞬間に1万通貨で損切りを5pipsにしたのなら500円はもう自分の手元から離れたと思って下さい。
これが損失を受け入れるということ、リスクを許容するということです。
損切りを5pipsと決めて本当に心から500円の損失を受け入れたのであれば収支変動を見なくて済みます。
また考え方として損失という概念ではなく、何かを買ったとかこのFXをする為に必要な経費と思いましょう。
例えば大学受験をするにも受験料は必要です。ただ受験料を支払ったからといって必ずその大学に入れるかは分かりません。また受験料を支払いたくないと思ってしまえば、受験の権利すら得られません。
そのように損とか得とかいう考えではなく必要経費という風にご自分で異なる考え方や見方を取り入れることです。そうすれば収支変動を見る回数も減るかもしれません。
では次のページでは損小利大となるエントリーポイントについて深く掘り下げたいと思います。