どんな仕事
納税者である個人や企業に対して、適正な税金の報告がされているか?申告漏れ、脱税などを調査するのが主な仕事です。
査察官や徴収官・調査官の違い
国税○○官というのは三つの職務があり、それぞれ以下となります。
- 国税調査官… 納税義務者である個人や会社等を訪れて、適正な申告が行われているかどうかの調査・検査を行うとともに、申告に関する指導などを行います
- 国税徴収官… 定められた納期限までに納付されない税金の督促や滞納処分を行うとともに、納税に関する指導などを行います
- 国税査察官… 裁判官から許可状を得て、悪質な脱税者に対して捜索・差押等の強制調査を行い、刑事罰を求めるため告発します
どうすればなれる?
国税調査官になるには人事院の実施する国税専門官採用試験に合格し採用される必要があり、各年の採用環境を考慮して東京、名古屋、大阪など全国の国税局及び沖縄国税事務所に採用され、各管内の税務署で勤務することになります。
国税専門官採用試験の受験資格
国税専門官採用試験の受験資格は21歳以上30歳未満の方で学歴は問われません。また年齢要件を満たしていても日本国籍でない方や成年被後見人、被保佐人、執行猶予中の方、国家公務員の懲戒免職処分を受け、その処分の日から2年を経過しない方などは採用試験を受けることができません。
採用後研修
採用後は税務大学校和光校舎(埼玉県)で約3か月間の専門官基礎研修修了後、採用局管内の各税務署に配属されます。
希望の勤務地に配属される?
ある程度は本人の希望は考慮されますが特定の国税局に希望が集中した場合は必ずしも希望どおりの採用になりません。
異動や転職
国税調査官が滞納を扱う国税徴収官に異動になったり強制調査を行う国税査察官になるなどの異動はあります。また転勤は全国転勤で転勤の周期は通常3年~5年となっています。海外勤務も場合によってはあり得ます。現在はアメリカ、イギリス、フランス、オーストラリア、中国、シンガポールなどに国税専門官が赴任しており情報収集などに従事。領事館や国際機関等でも活躍しています。
採用試験
採用試験は第1次試験と第2次試験があります。
第1次試験
- ①基礎能力試験(多肢選択式)40題
■ 知能分野27題(文章理解11、判断推理8、数的推理5、資料解釈3)
■ 知識分野13題自然、人文、社会13(時事を含む)
- ②専門試験(多肢選択式)40題/2時間20分
<必須>2科目(16題)…民法・商法、会計学(簿記を含)
<選択>9科目54題(各6題)から4科目24題選択
憲法・行政法、経済学、財政学、経営学、政治学・社会学・社会事情、英語、商業英語、情報数学、情報工学
- ③専門試験(記述式)
5科目(各1題)のうち1科目選択
憲法、民法、経済学、会計学、社会学
第2次試験
- ・人物試験… 人柄、対人的能力などについての個別面接
- ・身体検査… 胸部疾患(胸部エックス線撮影を含む。)、血圧、尿、その他一般内科系検査
採用人数や合格率
平成27年度の合格人数等は以下の通りです。
申込者数:13,197人
女性合格者数:416人
男性合格者数:738人
合計:1,154人
仕事内容
国税調査官は、国税専門官の種類の1つです。国税庁や税務署に所属し、税金の専門家として、税金に関する調査や指導を行う国家公務員のことを国税専門官と言います。国税専門館は「国税調査官」「国税徴収官」「国税査察官」に分けられます。国税調査官は、納税者である個人や企業を訪問し、適正な税金の申告がされているか調査する仕事です。申告書類と帳簿を照らし合わせ、申告内容が正しいかを確認し、申告が適正でないと判断された場合には、納税者に対して確定申告などの指導を行います。確定申告の方法や申告用紙の書き方を指導し、申告に必要な書類を個々に応じて案内もしています。
毎年2月中旬から3月中旬にかけての年度末は確定申告の時期であり、全国で大勢の人が確定申告のために税務署に出向きます。国税調査官はこの時期が1年で最も忙しい時期となっています。確定申告の時期以外の仕事内容で主なものは電話や窓口対応です。税務署には毎日のように納税に関する問い合わせがあり、その1つ1つに対応するのも大切な仕事です。また、納税に関する相談やその手続きのために、個人や企業と直接顔を合わせたり、各税務局の管轄内で地方出張することも珍しくありません。
以上のことからもわかるように、国税調査官は国税専門官の中でも、滞納された税金を徴収する国税徴収官や、脱税を刑事告発する国税査察官と比べると、スムーズに税金を納めるための納税者と税務署の仲介役であり、納税の基盤を支えている役割であると言えるでしょう。税金の滞納や脱税は社会問題であり、これからも激減は考えにくいのが現状です。正しい納税を行うための重要な役割を担っている国税調査官は、今後も必要とされる存在であることは間違いありません。
平均年収や給料は?
国税専門官は国家公務員となり給料額は税務職俸給表に則って決定されます。国税専門官は俸給表おいて「税務職」の給料が適用。※下記は平成27年度実績の給与。今後法改正により変動する場合があります。
俸給区分:(税務)1-22
俸給月額:199,800円
東京都特別区内勤務の場合:235,764円
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