どんな仕事
公証人とは法律の専門家であり、該当者(会社や企業含む)またはその関係人の依頼により、ある事柄の存在、契約上の法律行為が適正であるかなどについて、証明・認証します。全国で約500人の公証人がいるとされており70歳に達すると退職しなければならないと規定されています。
どうすればなれる?選考資格は?
公証人になるには以下の基準に該当し、多年法務に携わった経験を有する者として,公証人法第13条ノ2に規定する選考を受けることができます。
- 1.裁判所事務官,裁判所書記官,法務事務官又は検察事務官としてその職務に従事した期間が通算して15年以上で下記のA、Bどちらかを満たしている者
(A)一般職の職員の給与に関する法律(昭和25年法律第95号。以下「給与法」という。)第6条第1項第1号イに規定する行政職俸給表(一)に定める職務の級が7級以上の職にあった者
(B)給与法第6条第1項第4号ロに規定する公安職俸給表(二)に定める職務の級が7級以上の職にあった者
- 2.簡易裁判所判事又は副検事としてその職務に従事した期間が通算して5年以上の者
- 3.2掲記の職務に従事した期間が通算して5年未満であるが,この期間に1掲記の職務に従事した期間を通算すると,これらの職務に従事した期間が通算して15年以上になる者
- 4.司法書士としての実務の経験年数が通算して15年以上の者
- 5.法人の法務に関する実務の経験年数が通算して15年以上の者
なお上記を満たしていない方については、その方の経歴や資格等に基づき、検察官・公証人特別任用等審査会公証人分科会が多年法務に携わった経験を有するか否かを個別に審査し被選考資格の有無を決定します。
募集人数
公証人の募集人数というのは各地方法務局で年間1人、もしくは0人と極めて狭き門です。
採用試験
公募した公証役場の定数(採用予定人員)に対する応募者がその定数の倍数を超える場合には短答式による筆記試験を行います。試験の科目は民法、商法、民事訴訟法、公証人法の4科目ですが、どういった職務に従事してきたかによって一部試験科目は免除されます。
そして筆記試験に加えて法務省において口述試験もあります。口述試験は公証人となるのに必要な学識経験及び適格性を有する人物であるかどうかが判定されます。
仕事内容
公証人とは、裁判官、検察官、弁護士あるいは法務局長や司法書士など、長年に渡り法律関係の仕事をしていた人の中から法務大臣が任命した国家公務員です。厳密に言えば国家公務員法上の公務員ではありませんが実質的意義における公務員であり刑法の文書偽造罪等や国家賠償法の適用については,公務員に当たるとされています。公訴人が働く場所は一般的に「公証役場」と呼ばれていますが、場所によっては「公証人役場」や「公証センター」とも呼ばれ、その数は全国に約300箇所となっています。
公証人の仕事内容は大きく分けて「公正証書の作成」「会社の定款や私文書の認証」「私文書の確定日付の証明」の3つです。「公正証書の作成」では、遺言書をはじめ、土地建物賃貸借契約書、金銭消費貸借契約などに関する公正証書を作成します。この公正証書には、内容について裁判で争う必要がないくらい、裁判所による判決と同じくらいの絶対的権限があります。しかし、公正証書の範囲としては、遺産相続、金銭の貸し借りなど、財産に関することだけに限られており、子供の認知や離婚など財産以外のことについては、権限がありません。
「会社の定款や私文書の認証」では、会社を設立する際には会社の目的、事業、組織内容についてのもととなる規則である定款が必要であり、この定款には公証人の認証取得が義務付けられています。この定款や私文書に対して、公証人は法律的に正当性があるかを証明します。「私文書の確定日付の証明」では、私的文書の作成において、法的に証明する必要がある場合、法的に確定した日付を捺印し、証明します。これからも個人財産や会社設立に関わる案件は減ることは考えにくく、この証明や認証というものはなくなることはないので、公証人の仕事は今後も安定した需要となることは間違いありません。
平均年収や給料は?
公証人は遺言や様々な契約の際しての公正証書を作成し、その手数料が収入となります。正式に公証人の年収や給料は公表されておりませんので明確な平均年収は明示できませんが、下記画像は日本公証人連合会が発表しているもので遺言だけを取ってみても年々増加傾向にあり手数料収入は飛躍的に伸びているものと思われます。
無論、地域によって依頼件数は異なりますが都心部の場合であれば年収2,000万円以上も十分あり得るかと推察されます。
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