弁理士とは?需要は?
物や商標すでに登録されていないかを調査し、特許庁へ特許・意匠・商標の出願手続を代理して手続きを行うことが中心の業務です。そのため企業に対して特許を取得するための戦略や研究開発に携わるコンサルティングも行います。技術上の秘密の売買契約やライセンス契約の交渉・契約締結の代理も弁理士の仕事です。知的財産権に関する紛争での仲裁や和解を代理して行い処理をする業務も行います。権利取得・問題解決までの手続をすべて代理します。
また弁理士の需要や将来性ですが一般企業では弁理士の資格はほぼ評価されないと言っても過言ではありません。評価されるとするのは法律事務所、特許事務所です。需要自体はなくなることはありませんが超難関資格と収入とのバランスを考えれば弁理士という選択はどうなの?という方も多いようです。
受験資格
試験日
- 短答式筆記試験 …5月
- 論文式筆記試験(必須科目)…6月~7月
- 論文式筆記試験(選択科目)…7月~8月
- 口述試験 …10月
受験料
試験地
- 短答式筆記試験 …仙台・東京・名古屋・大阪・福岡
- 論文式筆記試験 …東京・大阪
- 口述試験 …東京
試験内容
- 短答式筆記
①工業所有権法(特許、実用新案、意匠および商標)に関する法令
②工業所有権に関する条約 ③著作権法 ④不正競争防止法
- 論文式筆記
※短答式筆記試験合格者のみ
【必須科目】
工業所有権法に関する法令3科目(特許法+実用新案法、意匠法、商標法)
【選択科目】
受験願書提出時に下記の6項目から1科目を選択し、その科目の中から1題を選択問題として解答
①理工1(工学):基礎材料力学、流体力学、熱力学、制御工学、基礎構造力学、建築構造、土質工学、環境工学
②理工2(数学・物理):基礎物理学・計測工学・光学・電子デバイス工学・電磁気学・回路理論・エネルギー工学
③理工3(化学):化学一般、有機化学、無機化学、材料工学、薬学、環境化学
④理工4(生物):生物学一般、生物化学、生命工学、資源生物学
⑤理工5(情報):情報理論、情報工学、通信工学、計算機工学
⑥法律(弁理士の業務に関する法律):民法、民事訴訟法、著作権法、不正競争防止法及び私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律、行政法、国際私法
- 口述
※論文式筆記試験合格者のみ
工業所有権法に関する法令(特許法十実用新案法、意匠法、商標法)についての口頭試問
合格率・難易度・平均受験回数
- 平成27年度(2015年)
- 志願者数:5340人
- 受験者数:4798人
- 受験率(受験者数/志願者数):89.9%
- 合格者数:319人
- 合格率(最終合格者数/受験者数):6.6%
- 合格者平均受験回数:4.5回
- 平成26年度(2014年)
- 志願者数:6216人
- 受験者数:5599人
- 受験率(受験者数/志願者数):90.1%
- 合格者数:385人
- 合格率(最終合格者数/受験者数):6.9%
- 合格者平均受験回数:3.9回
独学は無理?おすすめテキストなど
弁理士試験は独学で合格が可能かと言えば可能であることは間違いありません。ただ科目数が多く、形式も短答、論文、口述と暗記だけでは突破が無理ですので知識量や実践的な口述なども身につける必要があります。また1〜2年ごとに法改正がされるという事情もありますので完全な独学というのは難しいと言わざる得ません。
独学の最大の敵はやはり高い意識をどこまで継続できるかです。最初はやる気に満ちていても平均的な受験回数は4年ほどですから、その4年間の継続意思を持てるかどうかが重要です。そういった意味では専門的な学校に通うことで良い刺激をもらえるので、最初は独学だったけれども途中で資格学校に通学を始めた、あるいは部分的に資格学校に通ったという方がほとんどです。
弁理士を目指すうえで『工業所有権法逐条解説』『逐条解説』は有名な基本書です。他には基本法令集(PATECH企画出版部)、四法対照タイプの法令集、論文試験用の法文集、短答試験の過去問集、論文試験の過去門集、口述試験の過去問集。知財法が改正される度に特許法から出される解説本です。通称「改正本」も必要です。
資格を取った後は?
産業財産権である特許権、意匠権、商標権、実用新案権の4つの権利に対して、法律と専門知識を持つ資格が弁理士です。知的財産分野の中では最難関の資格ですので、取得することで就職活動にはかなり有利になります。
主な就職先は特許事務所や企業の知的財産部門です。企業内弁理士として勤務した場合は、社内の知的財産の出願手続きを行う場合もありますが、権利生成業務をメインとして特許事務所に依頼した明細書や中間処理書類を企業観点から特許技術者とチェックすることを業務にしている場合もあります。
企業内弁理士の数は増加傾向で、弁理士の4分の1の割合が企業に所属しています。知的財産権は大企業のみならず、中小企業やベンチャー企業にとっても必要不可欠になる戦略ツールです。知的財産部門で勤務する場合は、資格を取得することでキャリアアップにも繋がります。
20代や30代でも大企業の研究開発職と同様の収入が期待できるのも魅力です。特許事務所の場合、規模によって業務内容が異なります。中には弁理士が50名~100名在籍する大手特許事務所も存在しますが、ほとんどが個人の特許事務所として運営されています。弁理士の在籍数も多くて10名程度です。
人数が少なければあらゆる業務を担当することになるため、専門性の追求には向きませんが幅広く経験が積めるので将来独立開業を目指す人には良いでしょう。独立開業するためにはマネジメント能力や営業力も必要です。経験を十分積んでから開業するほうが安定した収入への近道です。また、特許事務所の重要は東京や大阪などの大都市圏に集中しているため、地方の特許事務所に就職を希望する場合は限られた求人から検討することになるでしょう。
平均年収や給料
30代半ばでは600万円~800万円くらいで、年齢を問わない全体での年収は700万円~800万円です。企業勤務として収入を得るよりは弁理士事務所に勤務した場合の年収が高く、平均で1,000万円~2,000万円と高収入です。また、独立開業した場合でも平均2,000万円で、1億を超える弁理士も存在します。
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