私自身、うつ病になった経験からコラムを執筆しておりますが、ここではうつ病になりやすいと言われている性格についてメランコリー親和型とは?などをお話させていただきます。
そもそもメランコリー親和型とは?
まず、メランコリー親和型の説明に入る前に、うつ病になる原因というのは世間で知られている以外に様々なルートから発症することをご存知でしょうか?私自身も、うつ病を発症までは、うつ病というのは精神的なストレス、自分の性格や考え方によってのみ引き起こられるものであると誤解をしていました。
しかし実際には他の病による影響、服用しているお薬によるものなど多岐に渡ることを知り、下記コラムを掲載しました。
うつ病は遺伝する?うつ病の種類(内因性・外因性・身体因性・心因性・性格環境因性)
さて本題に戻りますが「メランコリー親和型うつ病」というのは典型的なうつ病になるタイプの性格の持ち主のことを指すものです。
ではこのメランコリー親和型の性格とはどういう特徴があるか?
- 秩序、規則を重要視する。異なる言い方をすれば曲がったことが嫌い、苦手
- 他人への気遣い、配慮などもでき几帳面
- 仕事熱心で猪突猛進タイプ
- 責任感が強く、責任転嫁型ではなく、自己内に問題があると考えやすい
- 粘着気質
- 完璧主義
- 他人の力を借りるのが苦手で一人で抱え込みやすい
ディスチミア親和型とは?
さて、最近若年層に増えていると言われているディスチミア親和型の性格についてですが、主な特徴として以下が挙げられます。
- 会社のルール・社会の秩序に否定的、苦手
- 責任感に乏しい
- 現実逃避的思考
- 自己責任的思考より責任転嫁型思考
- 自己愛性が強い
- 叱責に弱い
治療に際してのディスチミア親和型とメランコリー親和型
従来は、仕事熱心なタイプの方が自分のキャパシティを超えてストレスに耐えられずにうつ病を発症する「メランコリー親和型」が典型的なタイプとされていましたが、最近では「ディスチミア親和型」のタイプの患者さんが増えているようで、現在の薬物療法の効果についても「メランコリー親和型」の方が効果があり、「ディスチミア親和型」は部分的な効果しかないという報告もあるようです。
またメランコリー親和型の性格の場合は服薬と休養をしっかりとっていれば、だんだんと病状も回復に向かいやすい事に対して、ディスチミア親和型の性格の場合は環境を変えることで急速に改善することがあるようです。
同じうつ病といっても、自分がどの分類になるのか?の見極めも大切かもしれません。もしご自分がどのタイプか分からない、なかなか抗不安薬や抗うつ薬が効かないという方は、ディスチミア親和型に近いのかもしれませんし、このコラムの冒頭で述べましたように、そもそも性格や精神的ストレスによって、うつ病が発症したのではなく、外因性・身体因性など他の病や疾患などを疑ってみるのも重要ではないかと思います。
陥りやすい自分の性格と当てはめ
ここまでメランコリー親和型の性格、ディスチミア親和型の性格の特徴を述べてきましたが、これをご覧いただいている方の中には、今現在、うつ病の症状が最もキツく出ている極期の方もいらっしゃるかもしれません。
極期といっても、どの程度の症状かは個人差があるわけですが、一応の知識としてメランコリー親和型の性格やディスチミア親和型の性格の特徴はこうですよと述べましたが、私にこれが当てはまるから、私はうつ病になったんだ、きっと性格なんて治らない、私は典型的に性格が当てはまるから鬱病からは解放されない…などと妄想したり、自分未来予測をするなど、無意味な当てはめをなさらないようにご注意下さい。
なぜこんなことを申し上げるかと言いますと、私自身うつ病でとことん苦しみ、極期やまだ症状が強く出ていた時に、こういった当てはめをしたり予期不安を持ったりして、自分のことをとことんまで虐めたり、傷つけてしまったりしたので、そんな考えを持ったり、自分がうつ病となった根拠探しや当てはめは全く無意味のない、プラスにならない行動ですから、一切なさらないようご注意下さい。
あれだけこれだけ、うつ病の極期の時に自分を責めたり、メランコリー親和型に当てはめたりしていましたが、あの時の自責の念は何だったのか?と思うくらいにまで回復しております。
ですから、極期の時はそもそもマイナス思考に陥りやすい状態、更に抱いた瞬間的なマイナスの考えに対して、そのマイナス思考を覆すまでの脳の元気が失われているので、どんどん負の感情や思考に捕らわれて行ってしまっていたのかなと当時を振り返って思います。
例えあなたがメランコリー親和型の性格にドンピシャ当てはまったとしても、よく考えて下さい。じゃぁそういう性格の人は全員うつ病になっていますか?と。家族や友人、知人、有名人、赤の他人、メランコリー親和型の性格の人など山のようにいますよ。
またその性格がうつ病を引き起こしたとしても、しっかり服薬と休養で改善されますので、時間に任せましょう。時間の経過というのを待たないとどうしようもない場合もあります。どんなに頑張っても今日一日でどう改善するわけでもない場合、どんなに念じても抗うつ薬の効果が安定するまでも期間が必要ですので、急がず焦らず寝ていましょう。
皆様の一日でも早いご回復を願っております!