人の心というのは単純なようで複雑ですよね。ただある程度でもその働きを知っておくことはお仕事や恋愛、人間関係において有利に運ばせることができるでしょう。
皆様は返報性の原理を皆様はご存知でしょうか?
なかなか聞き慣れないことですが、この返報性の原理とは人から何かを受け取った場合、そのお返しをしなければならないという心理が働くことを返報性と言います。
恋愛のケース
好意の返報性とは、例えばあなたはAさんの事をあまり好きではないと思っていたとします。しかしそんな嫌いなAさんがお仕事を手伝ってくれたり、あなたがAさんの事を好きでないことをAさんは知っているにも関わらず、献身的にサポートしてくれたり…。そういう態度を取られ続けると段々とAさんに対しての印象が変わると思いますし、嫌いから→いい人に印象が変化することで恋愛感情が芽生えることもあります。
また男女関係における他のケースとしてはあなたがBさんとお付き合いをすることになりました。しかしあなたは感情の浮き沈みが激しかったり、時に利己的な言動や行動を繰り返していました。普通であれば怒るところだけれどBさんは、いつも笑顔であなたの事を理解してくれ、どんな時でも味方でいてくれる存在。
こういう態度を与えてもらうとあなたは「なんていい人なんだ」「自分の至らなさを包み込んでくれる」などどのような印象を持つかは人それぞれですが、この人を幸せにしよう、この人を悲しませるような事はしないでおこう、この人を守ってあげよう、支えてあげようと、与えられたものに対してお返しをしなければならないという思いに駆られるでしょう。
これも同様に好意の返報性なのです。
ビジネスで成功する為の場合
ビジネスで成功する為に返報性とはどういう事なのか?経営の神様と言われている松下幸之助氏は以下の名言を残しています。
誠意や真心から出た言葉や行動は、それ自体が尊く、相手の心を打つものです
無理に売るな。客の好むものも売るな。客のためになるものを売れ
商売とは、感動を与えることである
十のサービスを受けたら十一を返す。その余分の一のプラスがなければ、社会は繁栄していかない
こういった言葉の意味は読み手によって様々な解釈がなされるので、何が正解か不正解かはありませんが、良い意味で顧客の予想を上回るものを提供すること。またお金で言えば10万円くらいが妥当な金額だろうと顧客が思っている製品が、実は1万円だったり、顧客が考える金額からの価値評価を上回ることで「安過ぎる!」「なんて素晴らしい便利な製品なのだ!」「このメーカーは素晴らしい!」と感動を与えることになるのです。
それによってメーカーに対しての信頼が高まり、今後もこちらのメーカーのものを買おうという心理になるわけです。
ビジネスと言っても様々な業態がありますが、顧客サポートや故障時の対応、いわゆるクレーム対応にまで力を注いでいる企業は素晴らしいとどの方も思うのではないでしょうか?なかなか直接的に利益につながらない部分に人物金を投じることは容易ではありませんが、それを決断できる経営者こそが返報性を体得されているのかもしれません。
やはり恋愛においてもビジネスにおいても、その人の予想を上回る良きものを提供する境地こそが発展や収穫高き人生を手にするのかもしれません。
返報性の程度や機能しないケース
ここまで恋愛やビジネスの面で返報性の基本的なことについて触れてきましたが、返報性はどんな時でも誰でも機能するわけではありません。
例えば恋愛においてお相手の為にと献身的に尽くしてあげれば必ずリターンを得られるのか?あるいはビジネスにおいて利益を極限まで削って神経をすり減らして顧客に対応すれば、どんな人も優良顧客になるかと言えば違います。
なぜ返報性が働かないかと言うと、どの程度の施しで返報性の原理が機能するかが異なるからなのです。返報性が機能するしないを別の表現で行うと感謝の基準と言って良いかもしれません。
例えば恋愛においてCさんの為と思って色々とサポートをしてあげたけれども感謝一言もない。こういう感謝を知らない方も存在します。
また人に何かをしてあげてもこれくらいは当たり前、これくらいで感謝の気持ちが芽生えない、これくらいしてくれて始めて感謝の気持ちが芽生えてくるという程度問題によって機能するしないが決まってくるわけです。
また結婚をするという場面において、Cさんに対してあなたは献身的に尽くしていても、あなたとは別のもう一人のライバルも献身的にCさんに対して尽くしていたり。これはビジネスも同様です。競合他社が存在すれば自社の努力がどれくらい大変なことか、どれくらい価値あることかの評価が変わってしまいます。
相対性によって機能しない場合も
ですから毎日毎日しのぎを削って新製品の開発等に明け暮れるわけですが、こういう風に社会は自分だけが存在しているわけではなく、人や企業への評価というのも相対的に判断されてしまう場合もあります。
他社が素晴らしい製品をリリースしてきたならば、それに負けじと自社も追随する。こうやって洗練されていくわけですのでゴールがないと言えばそうかもしれません。
ただ恋愛でもビジネスでも与える事は受け取ることであることに間違いはありません。
例え恋人の為に尽くしてあげたにも関わらず結婚できなくても、恋人はあなたに怒りを持っているかと言えば持っていないでしょう。結婚をするまで至らなかったけれど、あなたには感謝の気持ちを抱いてくれているかもしれませんし、もっとその恋人が成熟した時にあなたの事を改めて評価してくれるでしょう。
返報性が働かなったからといって、この原理次第がムダなものではなく、この与える心を持っていることで道を踏み誤ることはないでしょうし、いずれその有難味や価値を理解してくださる方に出会えば、今までの苦労が報われ素晴らしい日々を送ることができるのではないでしょうか。
言葉
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