CADとは?
CAD(computer-aided design)は、コンピュータ支援設計(直訳)とも呼ばれコンピュータを用いて設計をすること。あるいはコンピュータによる設計支援ツールのこと(CADシステム)。人の手によって行われていた設計作業をコンピュータによって支援し、効率を高めるという目的からきた言葉。
国家資格はある?
現段階でCADの国家資格はありません。
どんな資格がある?
- AutoCAD プロフェッショナル認定資格
- 建築CAD検定試験
- 3次元CAD利用技術者試験
- CAD利用技術者基礎試験
- CAD利用技術者試験
- CADトレース技能審査(厚生労働省認定)
AutoCAD プロフェッショナル認定資格
AutoCAD プロフェッショナル認定資格は、全世界のオートデスク・ユーザ 20 万人以上が取得している全世界共通の認定資格制度。AutoCAD を中心とするオートデスク製品ユーザの実務に則した CAD の操作・活用スキルを、試験&認証する制度です。
CADに関わる資格や検定試験もさまざまなものがありますが、どれも日本国内でしか使えません。国際企業オートデスクが認定するオートデスク認定資格は、オートデスク製品が使われる所ならどの国のどの職場でも通用します。
■ 試験はいつでも受験可能
■ 認定に有効期限はありません
■ 試験は選択形式と実技形式
■ AutoCAD2015 プロフェッショナルの試験範囲は以下の通りです。
出題範囲
テーマ |
目的
|
基本的な作図スキルの利用 |
ファイルを作成する、開く、パブリッシュする |
円、円弧、およびポリゴンを描く |
線分と長方形を描く |
線分をフィレット、面取りする |
オブジェクトを選択する |
座標系を使用する |
ダイナミック入力、直接距離入力、およびショートカットメニューを使用する |
情報コマンドを使用する |
作図補助機能の使用 |
オブジェクトスナップトラッキングを使用する |
直交モードと極スナップトラッキングを使用する |
極スナップを使用する |
定常オブジェクトスナップを使用する |
グリッドとスナップを使った作業 |
オブジェクトの編集 |
配列複写を作成、使用する |
選択セットを作成する |
グリップ編集を使用する |
移動、複写コマンドを使用する |
オフセット、鏡像複写コマンドを使用する |
回転、尺度変更コマンドを使用する |
トリム、延長コマンドを使用する |
曲線を使った作業 |
スプラインとオブジェクトをブレンドする |
ポリライン曲線を描画、編集する |
オブジェクトの表示と外観のコントロール |
オブジェクトへの画層割り当てを変更する |
オブジェクト、または画層にプロパティを割り当てる |
オブジェクトプロパティを変更する |
画層の表示をコントロールする |
画層プロパティを管理する |
ブロックと外部参照の使用 |
ブロックを定義する |
図面またはイメージを外部参照する |
外部ブロックを使って作業する |
ハッチングとグラデーションの使用 |
ハッチングパターンを適用する |
文字の記入と編集 |
文字スタイルを作成する |
複数行の文字を記入する |
寸法記入 |
寸法スタイルを作成、適用する |
マルチ引出線を使用する |
レイアウトと異尺度対応注釈 |
異尺度対応のスタイルと注釈オブジェクトを作成する |
レイアウトを作成する |
ビューポートを使用する |
印刷と出力 |
印刷および出力のオプションを設定する |
建築CAD検定試験
建築CAD検定試験は建築用図面を「CAD」を使って描く技量を測るもので、1993年に誕生した日本初の建築CADの資格試験です。等級は准1級・2級・3級・4級で構成され、社会から求められる「実践型の実技試験」という点が大きな特徴です。試験は、自らの建築知識をもとに与えられた条件のもと、建築一般図を作成する実力を測る、あるいは与えられた建築図面をCADシステムを使って正しくトレースする技能を測るなど、CAD技術のみでなく基礎的な建築知識が必要です。
■ 試験内容
准1級 (試験時間:4時間10分)
課題として与えられた建築図面(RC構造等)を、自らの建築製図知識とCADの経験を駆使したうえ、建造物の特性を理解した適切な判断によるトレースを行なってこれを完成させる。
試験は実技試験で、下記の例に示す建築一般図を4面作成する。
<例>
・配置図、1階平面図、外構(S=1/200)
・2階平面図(S=1/200)
・基準階平面図(S=1/200)
・断面図(S=1/200)
2級 (試験時間:5時間)
自らの持つ建築知識をもとに、CADシステムを使って建築図面を作成する実力を備えているかを問う。試験は実技試験で、一定時間内に下記の例に示す建築一般図を2面作成する。
<例>
・設計者の描いたラフなスケッチ(S=1/100)をもとに平面詳細図(S=1/50)を完成させる
・平面図、断面図、屋根伏図(S=1/100)をもとに立面図(S=1/50)を完成させる
3級 (試験時間:2時間)
与えられた建築図面をCADシステムを使って正しくトレースする実力を備えているかを問う。試験は実技試験で、建築図面の要素を取り出して作成した参考図をもとに、完成図を一定時間内に作成する。なお問題数は4題である。
<例>
・階段平面図 (S=1/30)
・通り芯・寸法・通り芯記号 (S=1/100)
・柱・壁・間仕切壁(S=1/100)
・壁と窓(S=1/30)
4級 (試験時間:2時間)
与えられた建築図面をCADシステムを使って正しくトレースする実力を備えているかを問う。
試験は実技試験で、建築図面の要素を取り出して作成した参考図をもとに、完成図を一定時間内に作成する。なお問題数は3題で、難易度は3級検定試験より低い。
<例>
・柱・壁・間仕切壁(S=1/100)
・通り芯・寸法・通り芯記号(S=1/100)
・壁と窓(S=1/30)
建築CAD検定試験に1級は存在しないの?ですが主催元である(社)全国建築CAD連盟によると建築設計能力は問わないが、CADおよびCAD周辺については十分な知識と操作能力を持っている人、すなわち『設計組織におけるCAD管理者(スーパーバイザー)の役をこなせる人』が、1級として相当であろうと捉えています。しかし、その試験方法や採点方法も環境が整っていないため実施の予定はいたしておりません。(公式サイト引用)
3次元CAD利用技術者試験
3次元CAD利用技術者試験は、単に3次元CADシステムのオペレーション技能や作図時間の速さ、正確さを評価するばかりでなく、3次元CADシステムによる設計業務に関連する周辺知識を活用し、実務において最低限のコミュニケーションができる力を評価するためのものです。
2級の試験科目
●3次元CADの概念
3次元CADとは、3次元CADの必要性、3次元CADの歴史、3次元モデルのデータ構造、表示技術、3次元モデルの構成
●3次元CADの機能と実用的モデリング手法
3次元CADによる設計、モデリング機能、実用化の事例、複合化したコマンド、検査・計測・解析の方法、パラメトリックモデリング、アセンブリモデリング、実用上の注意点
●3次元CADデータの管理と周辺知識
PDM、プロジェクト管理、コンピュータシステムの構成、CADとネットワーク知識、情報セキュリティ
●3次元CADデータの活用
CAE、CAM、CAT、CG、RP、DMU、コラボレーション、3次元CADデータの応用例
準1級の試験科目
●CADリテラシー問題、空間把握能力問題
文章によるモデリング手順に従い、部品を作成する問題。第三者との口頭によるやり取りや手描き図面情報の伝達をイメージし、的確にコマンドを使用できるかを問う。投影図、展開図より、部品を作成する問題。空間形状が把握できているかを問う。
●2次元図面からの作図能力問題
2次元図面より、機械部品を作成する問題。実務の基本的な能力を総合的に問う。
1級の試験科目
●CADリテラシー問題、空間把握能力問題
文章によるモデリング手順に従い、部品を作成する問題。第三者との口頭によるやり取りや手描き図面情報の伝達をイメージし、的確にコマンドを使用できるかを問う。投影図、展開図より、部品を作成する問題。空間形状が把握できているかを問う。
●部品組立て能力問題
部品を作成し、それらを組み立てる問題。正しく部品を組み立てられるかを問う。
●2次元図面からの作図能力問題
2次元図面より、機械部品を作成する問題。実務の基本的な能力を総合的に問う。
CAD利用技術者試験
2級の試験科目
●CADシステム分野
CADシステムの概要と機能、CADシステムの基本機能、CADの作図データ、CADシステムとハードウェア、CADシステムとソフトウェア、ネットワークの知識、情報セキュリティと知的財産、CADシステムの運用・管理と課題、3次元CADの基礎知識
●製図分野
製図一般、製図の原理と表現方法、製図における図形の表現方法
準1級の試験科目
●実技試験
【機構部品の作図】
リンク機構、カム機構
【投影図からの作図】
第三角法
【適切な数値(カタログ、要目表など)からの作図】
機械要素部品
※ファイルは、DXFフォーマットで保存すること。
●筆記試験
【機械製図の知識】
機械製図の基本、材料、公差とはめあい、幾何公差、表面性状、加工方法、機械要素
1級(建築)の試験科目
●筆記試験
【建築製図の基礎知識】
建築業務の基本知識、建築製図、建築の主な構造、建築の主な材料と部材、モデュール、建築業務と建築図面の役割
【建築生産の電子情報】
建築CALS/EC、建築生産業務の電子情報化、建築CAD図面作成要領、コンピュータによるシミュレーション
1級(トレース)の試験科目
●実技試験
【編集・レイヤ設定能力】
図形の編集、コマンド機能、レイヤ設定
【トレース能力】
図面のトレース
【投影能力】
投影関係と形状理解
※実技試験では、出題される分野の専門知識は必要ありませんが、図記号、線種などの知識は必要となります。
※ファイルは、DXFフォーマットで保存すること。
●筆記試験
【製図の知識】
図面の名称、線の種類と用途、寸法補助記号、図記号(建築、機械、土木、電気)
CAD利用技術者基礎試験
試験科目
●CADシステムの基礎知識と利用
CADシステムの概要・基本概念、CADシステムの基本機能など
●CADを動作させるコンピュータシステム
製図一般、製図の原理と表現方法、製図における図形の表現方法
●ネットワークの基礎知識
通信ネットワーク、LAN、インターネットなど
●情報セキュリティと知的財産
●製図の基礎
製図の目的と一般規則、製図の原理と表現方法など
●図形の基礎
三角形、四角形と多角形、円、立体図形など
※ 出題数:50問(コンピュータ分野/20問、CAD分野/30問)
CADトレース技能審査(厚生労働省認定)
CADトレース技能審査は、現実的な図面を日本工業規格(JIS)に基づき、CAD(computer aided design)ソフトを使用して製図する作業を評価する試験です。資格の分類は公的資格に分類されます。公的資格とは民間団体や公益法人が実施し文部科学省や経済産業省などの官庁や大臣が認定する資格で、位置づけとしては国家資格と民間資格の中間です。
CADトレース技能審査の試験実施部門及び等級は次のとおりです。
また合格者には、それぞれ「技士」の称号が付与されます。
部門名 |
等級区分 |
合格者の称号 |
機械部門 |
上級 中級 初級 |
上級CADトレース技士
中級CADトレース技士
初級CADトレース技士 |
建築部門 |
上級 中級 初級 |
試験科目
区分 |
部門 |
等 級 |
試験時間 |
試 験 の 概 要 |
実
技
試
験 |
機
械
部
門 |
上級 |
120分 |
CADを使用して、尺度「1:1」の正投影図で示された可動部のある「組立図」及び「複数の部品図」をもとに、尺度「1:1」でトレースを行う。また、「仕様変更」による「公式等」に基づく作図及び寸法記入、並びに、「組立図」と「部品図」との相互判断による未完成部の作図を行う。 |
中級 |
90分 |
CADを使用して、尺度「1:1」の正投影図で示された可動部のある「組立図」及び「完成した複数の部品図」をもとに、尺度「1:1」でトレースを行う。また、「組立図」については、可動部における指定状態の作図及び寸法記入を行う。 |
初級 |
60分 |
CADを使用して、尺度「1:1」の正投影図で示された「関連性のある2つの完成した部品図」をもとに、尺度「1:1」でトレースを行う。 |
建
築
部
門 |
上級 |
120分 |
CADを使用して、RC構造の建物における1エリアを対象とし、尺度「1:50」の「平面図」及び「仕上表・建具表」をもとに、尺度「1:30」の「平面詳細図」を作成する。また、作成に当たっては、尺度に応じた「オブジェクト(柱、壁、建具等)」の描画、「下地・壁」等の仕上げ方法の表記を行う。 |
中級 |
90分 |
CADを使用して、一戸建ての専用住宅を除くRC構造の特殊建築物(※)を対象とし、尺度「1:100」で示された、「平面図」及び「立面図(その1)」をもとに、尺度「1:100」でトレースを行う。また、「平面図」及び「立面図(その1)」をもとに、指定方向からの「立面図(その2)」の描画等を行う。 |
初級 |
60分 |
CADを使用して、一戸建ての専用住宅を除くRC構造の特殊建築物(※)を対象とし、尺度「1:100」で示された「平面図」をもとに、尺度「1:100」でトレースを行う。 |
学
科
試
験 |
機
械
部
門 |
上級 |
40分 |
4肢択一方式で30題 |
製図一般、機械加工全般に関する基礎及び関係法規、CADアプリケーションソフトの活用、CADシステムの活用等について問う。 |
中級 |
40分 |
真偽方式で22題+4肢択一方式で8題 |
初級 |
40分 |
真偽方式で30題 |
建
築
部
門 |
上級 |
40分 |
4肢択一方式で30題 |
製図一般、建築全般に関連する基礎及び関係法規、CADアプリケーションソフトの活用、CADシステムの活用等について問う。 |
中級 |
40分 |
真偽方式で22題+4肢択一方式で8題 |
初級 |
40分 |
真偽方式で30題 |
主な就職先は?
CAD利用技術者試験の取得後の主な就職先は建築・土木設計事務所やインテリアやアパレルメーカー、機械関係などです。配属される部署は級によって違いがあり、営業、CADオペレーター、CAD技術者として活躍することが可能です。派遣や在宅でCADオペレーターとして働くことも有利になります。
CADトレース技能審査の主な就職先は、建築・土木設計事務所、デザイン事務所、印刷会社などです。企業の設計部門やデザイン部門に配属され、CADを使用する設計技術者、CADインストラクター、CADオペレーターなどとして従事できます。
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