よく、身近に鬱病を患っている方がいると、感染(伝染)する、うつると言われていますが、本当のところはどうなのでしょうか?この辺について私の見解を述べさせていただきます。
風邪はうつる?接触感染
皆さん、風邪はうつると思いますか?
普通の風邪(主にライノウイルスが原因)は、風邪をひいている人の咳やくしゃみで空中に飛び散ったウイルスを介して伝染する空気(飛沫)感染ではなく、風邪をひいている人と同じ部屋の中で一緒に過ごしていてもほとんど風邪はうつりません。
一般的に高い確率で風邪が感染するのは接触感染だと考えられています。
接触感染というのは、風邪をひいた方が触れたもの、例えばスマホやドアノブ、食器や仕事用具、電車のつり革などにウイルスが付着し、誰かが、それに触れることで触れた人の手にウイルスが付着します。
そしてそのウイルスが付着した手で鼻や目をさわると粘膜からウイルスが感染し、4~5日で発病するというルートで感染するのです。ですから風邪予防として『うがい』ももちろん大切ですが、『手洗い』も実は重要なのです。
彼氏や家族や配偶者がうつ病の場合
では、彼氏やご家族や夫や妻など配偶者がうつ病を患っている場合は感染するのでしょうか?それとも感染しないのでしょうか?
この結論を導き出す為にポイントとなるのは『あなた自身の性格』です。
私は実際にうつ病を患いましたが、家族は誰もうつ病になるといったことはありませんでした。また以前の鬱に関するコラムで遺伝するのかしないのかについて触れましたが、一部の医師の見解としてうつ病は遺伝するという可能性はゼロではないらしいと記載しましたが、私の家族や親族の誰もうつ病になったことはないにも関わらず、私はうつ病になりました。
更にうつ病というと職場の人間関係のストレスやパワハラ、劣悪な労働環境からうつ病になるなど精神面のストレスから発症するものと思われていますが、うつ病が発症する原因というのはそれだけではありません。
これについては以前にも述べたので、うつ病について詳しくお知りになりたい方は当サイトの下記のコラムをご覧ください。
うつ病は遺伝する?鬱病発症の原因(内因性・外因性・身体因性・心因性・性格環境因性)
上記コラムに記載をしたようにうつ病が発症する原因は様々ありますので、うつるのか?うつらないのか?という問いに対しても、明快に回答はできませんが、結局大事な点…、それはあなたの性格次第ということです。
うつ病と免疫力とストレス耐性
このコラムの冒頭で風邪の感染について述べましたが、風邪患者が触れたものにあなたが触れれば、100%風邪が感染するかといえばそうではないですよね。
インフルエンザも同じで確実に感染するとは限りません。ではなぜ感染しないのか?というと人それぞれが持つ免疫力が異なるからです。
風邪以外に喫煙習慣がある方でも70歳、80歳になっても肺の病気にならない方もいれば、喫煙など一切したことがない方でも肺がんになるケースも往々にしてあります。これは遺伝的なもの、呼吸器系の強さ弱さが関係していると思いますが、うつ病も同じです。
免疫力、つまりストレス耐性がカギを握っていると思います。
うつ病でなくても、気分が落ち込んで常にマイナス思考や生きる希望を失っている人の傍にいると、こちらまで気分が落ち込みそうになる場合がありますよね。
そういう落ち込み続けている人と常に一緒にくらしていると、この先大丈夫かなと不安を感じたり、疲労が蓄積したりしますが、結局、お相手がうつ病かどうかが重要ではなく、結局、あなたの性格次第だと思うのです。
人の悩みは人それぞれです。もしあなたが結婚をして、どうしようもないくらいに経済的な面で困窮して、明日食べるご飯のお金がなければどうでしょうか?
また夫や妻がガンを患い入院していたらどうでしょうか?
さらに若くして配偶者を亡くされてしまったシングルマザー、シングルファーザーの方も世の中にはたくさんいらっしゃって、辛い思いを抱えながら我が子を育てている方もいらっしゃいます。
ではどういう事態、どういう悩みなら、あなたはうつ病になるのか?それともどんな逆境でも関係なく強く、たくましく、明るく、軽やかに生きていくのか?結局はそこに尽きると思います。
うつ病と予防
私自身、うつ病になり、色々気づかされた点もありました。うつ病から抜け出させた方の体験談などを読んでいると、うつ病になって良かったという投稿も結構目にしました。
私自身もうつ病になって良かったとまでは今の段階で思えていませんが、うつ病がうつるとかうつらないとかではなく、うつ病になる可能性を秘めている方は予防意識、未然に防ぐという意識は持っておかれた方が良いと思います。
うつ病になる要因というのは様々あって、男女問わず更年期に差し掛かるとうつ症状を伴う方もいれば、そうでない方もいらっしゃったりと、これをすれば完全に防げるとは言い切れませんが、私が考える性格的な面で鬱病になりやすい方は以下の特徴を持った方かなと思います。
- 責任感が強すぎる
まず責任感が強すぎる方です。夫や妻、我が子がうつ病で苦しんでいる姿を見ると、自分がしっかりしなければと思うのは当然ですが、別にしっかりする必要はありません。普段通りの生活を送っていればいいのです。『しっかりしないといけない』という心理は力が入りすぎで、そんなに力を入れてた生活を続けていると、段々と疲労が蓄積してきて、共倒れになりかねません。
ですからうつ病で苦しんでいるのは見ていて、こちらも辛くなってくるかと思いますが、ほとんどの人は死ぬまでに一度や二度、それなりの病と闘いますし、そのうつ病を乗り越えた先には、その方自身が何かを得て、大きく成長されていると思いますので極力普段通りの生活を心掛けてください。、
- 常にマイナス思考
以前のうつ病のコラムで『笑うことの大切さ』『笑顔の医学的効果』について述べましたが、やはり常にマイナス思考の性格の持ち主はお気をつけになった方が良いと思います。
ただ私が言うマイナス思考というのは、特に悩む必要がない状況にも関わらず、悪い思考、悪い想像をする方のことです。例えば旦那さんがうつ病になっている奥様が、この先我が家は大丈夫なんだろうか…と一抹の不安を覚えるのはマイナス思考ではなく、そういう状況なんだから不安を抱くのは当たり前で、こんな時に明るい未来が待っているはずだ!と思えるわけがないので、これはマイナス思考ではありません。
- 極端なポジティブ思考
ポジティブな思考とうつ病って結びつかないイメージを持っていらっしゃる方も多いかと思いますが、極端なポジティブ思考の方に多いのが完璧主義、全無思考の方です。全無思考とは何でも白か黒かをはっきりさせたがる方、中間のグレーゾーンがない方です。
なぜこのタイプの方がうつ病になる可能性を秘めているかというと、努力すれば何でも叶うとか、人生は自分の思考通りに実現する!と高い志を持つチャレンジ精神は非常に大切だと思います。
しかし必ずどこかで人生の試練はやってきます。どんなに努力をしたって空回りする時期、どんなに願い、どんなに祈っても叶わない時が来ます。なぜなら人は必ず老い、死を迎えるわけですから。
ですから必死に努力をして、自分に負荷をかけて、色々な事を我慢して叶えたい対象に焦点を当てて頑張るわけですが、結果が伴わないと、それがストレスになったり身体的に負荷をかけ過ぎて体調を崩しかねません。ですから頑張ることは大事だけれど、休息を頑張る時間も必要ということです。
- 無趣味・ストレスを溜め込む
無趣味というのは、結局のところ楽しいと感じる時間を持っていないという意味です。
そもそも趣味の定義ってあいまいな部分が多く、どれくらいそれに取り組めば趣味となるのか正確な基準があるわけではないので要するに、ストレス発散が下手、苦手、ストレスを溜め込んでしまう方は、何でも良いのでストレスを発散したり、自分を軽くする方法、自分を逃がしてあげる手段、自分を許す考え方、自分を褒める習慣などを身につけてみてください。