宇治川を中心とした美しい景観と、1994年にユネスコの世界遺産に登録された「宇治上神社」「平等院」など豊かな歴史・文化資源に恵まれた宇治は戦乱の舞台や文化の中心として、常に日本の歴史と共に歩み、発展を続けてきました。ここでは宇治市の興聖寺の御朱印や御朱印帳、駐車場までご案内を致します。
創建
興聖寺は、鎌倉時代に創建された日本曹洞宗最初の寺院です。宗祖道元禅師が、宋での修行から帰朝した後、京都深草に禅道場として七堂伽藍を建立し、観音導利院興聖宝林禅寺を開創したのが始まりと伝わります。その後、比叡山延暦寺の弾圧を受けて道元禅師が越前へと下向すると、一時的に寺勢は衰えます。
しかし、1633年に淀城主として入国した永井信濃守尚政公が、道元禅師が開創された興聖寺の凋落を救うべく、両親の菩提のために、伏見城の遺構を用いて、本堂や開山堂などの堂宇を現在の地に建立整備しました。
本尊
御本尊は、木造・寄木造りの釈迦牟尼佛です。寺伝によれば、道元禅師の作とされており、永井尚政公が攝津の国にあったものを譲り受けたと伝わります。
拝観料
興聖寺の拝観料は500円となっています。
庭園
本堂前には、石を配した見事な庭やわずかな滝が流れる内庭など美しい景色が広がっています。森閑で清浄な雰囲気を好んだと言われる永井尚政公の趣向を今でも受け継いでいる庭園です。石を使って亀と鶴が表現されていたり、木の配置で七五三を表していたりと、隠された仕掛けを探して楽しむことができます。
手習観音
祠堂殿に奉安されている聖観音像は平安時代後期のものと伝わります。平安時代の歌人・小野篁作とされ、源氏物語の後半にあたる宇治十帖のゆかりの地「手習の杜」に祀られていたことから、手習観音とも呼ばれています。右手は足を一歩前に出した様子は、民を救うために歩み寄ろうとしている姿と考えられています。
開山堂及び道元禅師の木像
開山堂は、興聖寺を開山された道元禅師や歴代の住職が祀られている堂宇です。道元禅師が好きだった梅の花にちなんで「老梅庵」と名づけられています。建物自体は、1750年に塔頭の東禅院の大悲殿を移築したものです。
開山堂の安置されている木造玉眼の道元禅師の坐像は、道元禅師の弟子である詮慧が永興清舎に奉安したものと伝わります。後に建仁寺に遷されましたが、道元禅師五百忌の折に興聖寺へと安置されたそうです。
座禅体験
毎月第1日曜と第3日曜の午前9時から坐禅会が開催されています。坐禅会の30分前からは作法の指導も行われているので、坐禅が初めての方でも気軽に参加できます。参加費は無料で、事前予約は不要です。それ以外の日時での体験坐禅は、参加費と事前予約が必要となります。
三面大黒天
廻廊には、珍しい三面大黒天が奉安されています。正面に大黒天、右面に毘沙門天、左面に弁才天があり、三天合体の尊像です。
三門(竜宮門)
参道を上った先には、龍宮造りの山門があります。天保年間に改築されたもので、楼上には釈迦三尊像と十六羅漢像が奉安されています。山門脇には、「曹洞宗興聖寺専門僧堂」の木札がかかっています。
興聖寺で頒布の御朱印帳
興聖寺で購入できるオリジナルの御朱印帳になります。デザイン性のある御朱印帳ですね。
授与所兼寺務所
こちらで御朱印をいただけます。寺務所も兼ねています。
拝受の御朱印
拝受いただいた御朱印になります。興聖寺の御朱印は日本に曹洞宗をお伝えになり、曹洞宗を開かれた道元禅師様の諡号(おくりな)、承陽大師をお書きして授与致しておりますとのことです。
お守りやおみくじは
お守り、おみくじは興聖寺ではないうようです。上記画像に「水鈴のおと」というものがありますがこちらはお守りではないようです。ちなみに画像右下に御朱印を確認いただけると思いますが、先ほどご案内した御朱印以外に「観音様」「釈迦牟尼佛」の二種類の御朱印も拝受できます。但しどちらも書き置きです。
鐘楼
興聖寺の鐘楼は「興聖の晩鐘」とも呼ばれ、宇治十境や宇治十二景として景勝地の一つに数えられています。梵鐘には、安土桃山から江戸にかけて活躍した儒学者・林羅山自選自書の銘が見え、再興の由来などが記されています。また、鋳造は近藤丹波椽藤久、勘兵衛尉常清とあります。
大書院
大書院は1912年に建立された建物です。1919年、貞明皇后が京都に行啓された際に使われました。
天竺堂
天竺堂には、宝冠釈迦如来像、聖観音像のほか、興聖寺を再興した淀藩主・永井尚政公ら一族の像が安置されています。尚政公は、伽藍を建立したほか、新田二百石と祠堂銀二十貫を寄進するなど、興聖寺を支えました。
法堂
法堂は、伏見桃山城の遺構を用いて建立されたと伝わります。1600年の伏見城の戦いの際に、伏見桃山城に籠城していた武士たちが自刃した際の血の手形や足跡とされる縁板が残っています。廊下は、歩くと床がきしんで音が出る鶯張りという独特の板張りです。法堂の扁額には、道元が開創した当時の寺名である「興聖宝林禅寺」の揮毫があります。
薬医門
弘化3年改築と伝わる薬医門です。山門から見上げると朝日山の鬱蒼たる深緑が迫ってくるような神秘的な光景が広がります。左右に回廊が巡らされ、中庭を囲むように庫裏、法堂、僧堂と繋がっています。薬医門の脇にある樹齢三百年のひめこまつも、見どころのひとつです。
永代供養塔
興聖寺では、承継者の有無に関わらず永代にわたる供養と管理を受け付けてもらえます。
参詣者用の駐車場
参詣者用の駐車場ですが1回500円です。時間制ではなく一回きりです。無料と案内されているサイトもありますが現在は500円です。収容台数は目測ですが約30台ほどです。
アクセス(最寄り駅)
興聖寺のアクセス情報です。最寄り駅は宇治駅(京阪宇治線)です。下記のグーグルマップは宇治駅(京阪宇治線)からの徒歩のルートです。また興聖寺から徒歩15分ほどのところに平等院があります。平等院についての詳しい情報の関連記事にてご覧下さい。
名称 |
興聖寺 |
住所 |
京都府宇治市宇治山田27-1 |
開門時間 |
5時~17時 |
お問い合わせ |
0774-21-2040 |
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