どういう仕事?
裁判官の判断がどのような手続きにのっとって行われたかを記録し、証明するための口頭弁論調書や公判調書の作成、事件に関する記録・書類の作成・保管を行ったり法令や判例を調査して裁判官をサポートします。
どうすればなれる?
裁判所書記官になるには、まず裁判所職員(裁判所事務官)として一定期間勤務した後、裁判所職員総合研修所入所試験を受けることが必要で合格後は裁判所職員総合研修所で約1~2年の研修を受け書記官としての知識を修得し、裁判所書記官として任用されます。
なお総合職試験(裁判所事務官)で採用された者がこの入所試験を受験する場合は採用初年度に限り、原則として筆記試験の全て又は一部が免除されます(院卒者区分合格者は全て免除,大卒程度区分合格者は一部免除となります)
裁判所書記官と事務官の違い
毎年、裁判所職員採用試験が実施されていますが裁判所職員の試験に合格し採用されると全て裁判所事務官となります。そして事務官が書記官の試験に合格し、裁判所職員総合研修所で約1~2年の研修を受けると書記官になることができます。
試験における区分の違い
第1次試験の基礎能力試験(多肢選択式)では院卒者区分は知識分野からの出題が大卒程度区分より10問少なくなっていて試験時間も35分短くなっています。さらに総合職試験(裁判所事務官)の第2次試験の専門試験(記述式)では、院卒者区分は大卒程度区分と共通の必須問題(憲法,民法,刑法)に加え、訴訟法1題(民事訴訟法又は刑事訴訟法)が出題されます。
高卒でも可能?
裁判所職員採用一般職試験は高卒者区分で受けることが可能です。
どれくらい難しい?
裁判所書記官になるのはどの程度難しいのか?採用人数や合格率を調査を行いましたが公表していないのか不明ですが、現時点で確認ができませんでした。
※最終学歴問わず全て上記ルートになります。
具体的な業務内容
裁判書記官は訴訟手続きの専門家で、その職務には固有の権限が与えられており、その権限に基づいて様々は業務を行っています。その具体的な仕事内容は、調書の作成、事件に関する記録、書類の作成、またそれらの保管や、法令や判例を調査する裁判官のサポート業務などです。調書を作成するに当たっては、裁判が行われている期間中はすべての審査に立ち会い、どんな手続きを行ったか、裁判官の判断はどんな手続きにのっとって行われたか、当事者や証人がどんな証言をしたのかをすべて事細かに記録しなければなりません。
その他には、裁判官をサポートして法令や判例を調査したり、当事者への応対や手続き等の説明、書記官室に訪れる弁護士などの応対、証人や通訳人との連絡なども行い、裁判がスムーズに行われるように様々な関係者と関わっていきます。以上のことからもわかるように裁判所書記官は、裁判の当事者と裁判官の橋渡し的存在なのです。裁判所書記官に求められる人材とはどういったものかというとまず、応対力に優れている人です。経験の浅い弁護士、状況を理解できていない当事者、若手の法律事務所等の事務員など実に様々な方の応対をしなければならないので、その時毎に適切に丁寧に誠実に応対できる能力が必要です。
次に組織の一員として協力できる人です。自分の意見を持ちながらも組織の状況に配慮ができ、周りを見ながら職務を行えることが大切です。最後に確実な作業処理能力がある人です。 膨大な書類や資料、たくさんの電話応対でも的確に正確に処理する能力が必要です。裁判官が主であるように思われがちな裁判ですが、実は裁判所書記官が底の部分で支えているといっても良い位、重要でやりがいのある職業でしょう。
採用後の異動
採用後の異動は採用された裁判所の所在する都道府県内で概ね3年を目安に行われるのが一般的です。
給料や年収
・総合職試験(院卒者区分):249,480円(行政職俸給表(一)2級11号俸)
・総合職試験(大卒程度区分) 217,440円(行政職俸給表(一)2級1号俸)
・一般職試験(裁判所事務官,大卒程度区分) 212,040円(行政職俸給表(一)1級25号俸)
・一般職試験(裁判所事務官,高卒者区分) 173,520円(行政職俸給表(一)1級5号俸)
※金額は,東京都特別区内に勤務する場合の例です。
・期末・勤勉手当 1年間に俸給月額などの約4.2か月分
・通勤手当 6か月定期券の価額等(1か月あたり最高55,000円)
・住居手当 月額最高27,000円
・扶養手当 配偶者月額13,000円等
・超過勤務手当等
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