Manabi

現在、うつ病を患ってらっしゃる方の中には自動車の運転をされている方も少なからずいると思います。

精神状態が不安定の時は控えるべき

自動車の運転といっても、お仕事で車を運転される方、主婦の方で毎日のお買いものをされる方、親の介護、送迎など、どうしても車を運転しなければいけない状況の方も多いと思いますが、当然の事ながら、極力お控えになった方が良いと思います。

結局、事故を起こしてしまえば、怪我の度合いも関係しますが、より一層辛い状況になりますからね。

うつ病患者が事故を起こした場合、保険は下りるのか？

これをご覧になっている方の多くは、現在うつ病を患ってらっしゃる方が多いと思いますが、うつ病と診断されている方が自動車事故を起こした場合、任意保険ってどうなるか、きちんと把握されていますか？

実は保険会社によって対応が異なるようで、私自身すべての保険会社に確認をしたわけではないので、細かい部分まで断定的な表現はできませんが、某保険会社の見解としては、うつ病と診断されているからといって、それだけでこちらの過失となるわけではないとの回答でした。

ただうつ病と診断されているには変わりなく、どの抗不安薬、抗うつ薬に関わらず、その時の精神状態がどういうものであったか？つまり極めて事故を起こす確率の高い精神状態であったかどうかによって、こちらの過失割合も高くなるとのことでした。

これはあくまで某保険会社一社の見解ですので、うつ病で車の運転をされている方は確認をしておかれた方が良いと思います。また時代と共に法改正をなされているので、ここで述べた一社の見解も今後変わってくるかもしれません。

道路交通法の一部改正

平成26年6月1日から、一定の病気等に係る運転者対策が強化されました。

一定の病気とは、自動車等の安全な運転に支障を及ぼす恐れのある病気で、運転免許の拒否又は取消事由等となるもので、これにアルコール、麻薬等の中毒を加えたものを「一定の病気等」といいます。

• 【一定の病気等の例】
• 認知症
• 統合失調症
• てんかん
• 再発性の失神
• 無自覚性の低血糖症
• そううつ病
• 重度の眠気の症状を呈する睡眠障害
• アルコール、麻薬等の中毒
• その他安全な運転に支障のあるもの

主な改正内容は公安委員会は運転免許を取得しようとする方や免許証を更新される方などに対して、病気の症状に関する必要な質問ができるようになります。

質問内容の一部として「過去５年以内において、病気を原因として、身体の全部又は一部が、一時的に思い通りに動かせなくなったことがある。」「病気を理由として医師から、運転免許の取得又は運転を控えるよう助言を受けている。」などで虚偽の申告を行った場合は１年以下の懲役又は30万円以下の罰金となります。

その他の改正点として以下があります。

• 一定の病気等に該当する免許保有者を診断した医師は、任意で診断結果を公安委員会に届け出ることができるようになります。
• 交通事故を起こし、一定の病気等に該当すると疑われる方について、免許の効力を３月を超えない範囲内で停止することができるようになります。一定の病気等に該当しないことが明らかになった場合は処分が解除されます。
• 一定の病気に該当することを理由に免許を取り消された場合、免許を取り消された日から３年以内に病状が回復し、免許を再取得することができる状態になった際には、技能試験及び学科試験が免除されます。

ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、2011年4月18日に栃木県鹿沼市樅山町で、てんかん発作を持った男性がクレーン車を運転中、 発作が起きたのが原因で発生した交通事故で児童6人がお亡くなりになりました。

これを機に精神疾患と運転や規則にも厳しくなってきました。

自転車運転死傷行為処罰法

平成26年5月20日に施行されたのが自転車運転死傷行為処罰法です。

特定の病気等に該当しており、安全に運転ができない状態にも関わらず、自動車を運転し、死傷事故を起こした場合に処罰対象になります。

• 【特定の疾患の例】
• 低血糖症
• 躁うつ病（うつ病含む）
• 統合失調症
• 再発性の失神
• 重度の睡眠障害
• アルコール、麻薬等の中毒
• 意識障害・てんかん
• その他安全な運転に支障のあるもの

万が一、主治医が「あなたは自動車の運転をしてはいけません」と禁止されているにも関わらず死傷事故を起こした場合は、同法に該当し処罰の対象になり、人を死亡させた場合は懲役15年以下、負傷させた場合に懲役12年以下となります。

自分はうつ病と診断されているから、自動車事故を起こすとあらゆる全ての事故に、この法律が適用されるというわけではありませんのでご安心下さい。

要するに平易な表現でいうと、誰がどう考えても運転などできる状態ではないにも関わらず運転をするという行為は飲酒運転と同じようなもので重大な過失行為、殺人行為であるという解釈なわけです。

もしご自分で車の運転が怖い、危険だなと感じる場合は、多少面倒でも、多少お金がかかっても他の手段を講じてみるのが無難かもしれません。

皆様の一日でも早いご回復を願っております！

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