指揮者になるには?≪給料や有名人は?厳しい?≫

どんな仕事?

合唱団やオーケストラなどの指揮をとり、演奏をひとつにまとめます。

大学や専門学校など学歴は?

指揮者になる為には、やはり音楽大学や芸大の音楽学部、指揮科などへ進む必要があります。しかし音楽大学の指揮科に入るのには高度なピアノの技術と和声の知識が必要になります。大学では指揮の技法の習得はもちろんのこと合奏関係、音楽理論、音楽史などを体系的に学ぶことができます。また専門学校にも一部指揮者に関する学科を設けているところがありますが、やはり数は少なく理論、実技ともに圧倒的に大学の方が深く広く学べます。

国家資格

指揮者になる為に必須の資格はなく、現段階で国家資格のようなものはありません。

有名な指揮者の大学や経歴

ここでは有名な指揮者の学歴などをご紹介させていただきます。皆様の進路のご参考になれば幸いです。

  • 小澤征爾
  • 桐朋学園短期大学(現在の桐朋学園大学音楽学部)。短大卒業後に群馬交響楽団、22歳時に日本フィルハーモニー交響楽団で副指揮者を務める。
    小澤征爾の名言集

  • 佐渡裕
  • 京都市立芸術大学音楽学部フルート科卒業。京都市立芸術大学在学中に指揮活動を開始。27歳の時ににブザンソン国際指揮者コンクールで優勝し指揮者としてプロデビュー。
    佐渡裕の名言集

  • 西本智実
  • 大阪音楽大学作曲学科を卒業。ロシア国立サンクトペテルブルク音楽院(指揮科)へ留学。28歳の時に京都市交響楽団を指揮して日本国内デビュー。
    西本智実の名言集

仕事内容

指揮者の仕事は、オーケストラや合唱団などで指揮をとり、様々な楽器や個性を持つ大勢の演奏家、音楽家たちをまとめ上げ、ひとつの作品をして完成させることです。指揮をとる曲には、その作曲者自身の背景や想いが込められていたりと一つ一つ物語があります。指揮者は、指揮が決まればその曲の楽譜を熟読し、他の楽団が演奏する曲を何度も聴きながら、自分が指揮をとる場合の曲のイメージを具体化していきます。

そして、すべてのパートの音程、音の強弱、表現の仕方、全体の構成などを把握し、自分が求めている演奏に近づけるために、練習場面で各パートに細かく指示を出していきます。大勢の演奏者たちと一緒にリハーサルを何度も重ねて曲を完成させていくのです。その場合、演奏家一人ひとりにすでに曲のイメージや捉え方、演奏の仕方が出来上がっていたりする場合もあります。

当然、指揮者との間でも曲のイメージが違うのは仕方のないことです。しかし、ひとつの作品として完成させるためには、その大勢のイメージをひとつに統一することが重要であり、その役目を担っているのが指揮者なのです。指揮者には、楽団に所属している人もいれば、フリーで行っている人もいます。

楽団に所属していれば演奏家たちの特徴などは把握していることも多く、日頃から一緒に活動しているのでイメージ違いがあっても統一しやすいでしょう。一方、フリーの場合はまず演奏家たちとのコミュニケーション作りから始まります。コミュニケーションが円滑なり、曲のイメージが共有されて演奏に反映され統一されるのです。近年では、クラシックだけでなく様々なジャンルの音楽でも指揮者の活躍が見られます。幅広い指揮の技術と身につけていると将来的にも有利でしょう。

就職先

オーケストラの指揮者になるのには、メジャーな国際指揮者コンクールに入賞するのが一番の近道ですが、入賞する為には音楽全般の高度な知識や技術が求められます。また他の指揮者となる方法ですがプロの指揮者に弟子入りするのも良い選択です。ただし弟子入りする為に明確ななれる方法はなく、才能を認められたり、人からの紹介などの不確定な要素によって、その道は開けます。ですから音大在学中などに様々なコンクールなどに出向き、多くの人脈を構築しておくなどの努力が必要でしょう。

それ以外の方法としては海外への留学。本物を追求して海外に留学する方も少なくありません。やはり海外にも著名な方がいらっしゃり多くの才能溢れる方が切磋琢磨しているので技術の向上にも大いに役立つことでしょう。そしてオーケストラとのパイプを持っている方が多いので、もしかすると道が開けるかもしれません。

また市民楽団、音楽楽団に入ることも有効な手ではありますが、こちらもこうすれば必ず入れるというものはなく、人によっては演奏会に出向いて自分を売り込んだり、自治体の音楽楽団にまずはボランティアスタッフからスタートをさせて…というケースもあります。

指揮者という世界は通常の一般職とは異なりますので門戸も狭いので、相当な努力や運も必要になってくるでしょう。

平均年収や給料・収入

日本にはプロのオーケストラが約30団体ほどあり、それぞれに音楽監督、常任指揮者、名誉指揮者、桂冠指揮者、永久指揮者、客演指揮者、正指揮者などといった様々な称号の指揮者がいますが、称号ごとに報酬は全く異なるかと言えばあまり変わりません。日本の場合は報酬が分かるというよりも名誉的な部分が多いのが特徴です。

さて、気になる指揮者の平均年収や1公演あたりの報酬単価ですが世界的に有名な指揮者といえば小澤征爾さんです。小澤さんはベルリン・フィルハーモニー管弦楽団により名誉団員の称号を与えられるなど知らない方はいないでしょう。オーケストラに所属している指揮者はそれぞれの称号によって出演料は決まっており小澤征爾さんの場合は名誉団員で一回の公演では500万円以上と言われています。

また若手の指揮者の場合は1回の指揮料は20~30万円程度と言われており、実績を積むことで指揮料はアップしていき50~100万円程度になっていきます。しかしただでさえプロ指揮者になるのは難しい世界で一回の公演料で100万円を得られるまでになるのは、本当に一握りの方だけです。高額な報酬をいただけるのは自分の名前で公演が成功、あるいは自分を見たいという観客がいて、自分の名前で来てくれるほどになった場合です。

ですから音楽的な知識、造詣、技術、感性、教養、人格…。あらゆるものが求められることでしょう。

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