時々、目にしたり耳にするのがうつ病は甘えなのかどうかということ。ここでは私自身の見解を述べたいと思います。
まず、うつ病になった方はお分かりかと思うのですが、本当にうつ病になってしまうと、もう身動きが取れないほどに辛くなります。うつ病を甘く見て、薬を服用しないで、どんどんストレスを溜めていくと本当に生きる気力を奪っていきます。
それくらいうつ病は怖い病です。
ただ精神病というのはどれくらい苦しいのか?どういう感覚になるのか?実際になってみないと本当に分からないものだと思いますし、自分がうつ病になって分かりましたが、うつ病になってこんなにも苦しいものなんだということを周囲の全てに完全に理解してもらう事は難しいと思いました。
自分が当事者だから周囲に理解して欲しいと思うのですが、逆に自分が当事者でなかった場合を考えたら、やはりその苦しみがどんなものか分からないので人によっては「単なる甘え」として片付けられてしまうこともあるなと思いました。
嘘として使えますが
自分がうつ病になるなんて、全く思っていませんでしたが、実際にうつ病になり、うつ病は単なる不安感が強くなったものとか、何となく絶望感を抱くといったものではない事を知りました。
人って多かれ少なかれ、どこかに不安はあると思います。人によっては継続的に、人によっては瞬間的に不安は感じるものの、すぐに切り替えられたり、開き直れるものかと思います。
ただうつ病になると、その不安感の歯止めが効かないというか、どんどん不安な事から、不安な結末、不安な未来が襲ってくる感じで、マイナス思考的な性格だからそうなるといったものではありません。そしてこの途絶えない不安的想像が人によっては「逃れられない苦しみ」「生涯この苦しみから解放されない」といった絶望視によって命を絶つのだと思います。
しかし、うつ病は、ここからがうつ病、ここまではうつ病でないと明確に線引きができるものではないので、もちろん嘘をつくこともできますし、精神科や心療内科に行って苦しいと訴えればうつ病と診断される可能性は高いでしょうが、そんなウソをついても虚しいだけ。
嘘で塗り固めても、嘘で自分を守っても結局、良いものを生み出しているわけではないので、そのツケは自分に回ってくると思います。
周囲の単なる甘えという解釈
これをご覧いただいている方の中には、ご家族や身近な人がうつ病と訴えている方もいらっしゃるかもしれませんが、その当事者に”単に甘えている”だけと一蹴するような事は控えていただきたいと思います。
そもそもうつ病であろうとなかろうと何かのストレス源があったり、不安要素を抱えているから、そのような状態になっていると思いますので、じっくり話を聞いてあげてください。
また本当に鬱状態であれば病院に診察に行くなどしないと、どんどん追い込まれて行ってしまい、余計に大きな出来事に発展する場合もあるかと思います。
軽度の時に対処するのと重度になってから対処するのとでは治療に必要な期間も異なりますので、先入観やご自身の勝手な見解で判断しないで見守ってあげて頂きたく思います。
初期段階は甘えを捉えがち
自分自身、うつ病なのか?甘えなのか?どちらか分からないという当事者の方は、ネット検索をして、うつ病についての知識を取り入れるなど知識武装をしたり、回復への道筋を探してらっしゃるかと思いますが、ここからご自分の意志や考え方で、その何となくの抑うつ状態から復帰できるのでしたら、それはそれでいいと思いますが、もしそうでないなら、早めに心療内科や精神科で診断してもらってください。
最初はなかなか自分がうつ病患者であるということを受け入れられないと思います。私自身もそうでした。ただ私自身、うつ病になってから周囲の色々な方とお話をしましたが、意外にお医者様にも鬱経験者が多く、有名な芸能人でもうつ病になっている方もたくさんいらっしゃるので、うつ病は弱い人間の証、異常な人がなる病気など偏見を捨てて、治療してください。
あなたがどう解釈しようと本当にうつ病という病に侵されている場合は、どんどん苦しくなっていくだけですから。受け入れるまでに時間がかかるのは当然です。ゆっくりでいいですからね。
皆様の一日でも早いご回復を願っております!