皆様は完璧主義に対してどのようなイメージをお持ちでしょうか。完璧なんて存在しない、素晴らしい主義、自分が完璧主義で苦しんでいる、努力家、完璧主義の人は気難しいなど様々なイメージがあると思います。ここではこの完璧主義のプラス面、マイナス面、そしてどのようにすれば完璧主義(二分法的思考)を治す事ができるのか?についてお話しさせていただきます。
なお、ご自分が完璧主義であると自認されている方にメリットデメリットのご回答をお願いしました。そちらは下記よりアクセスなさって下さい。
完璧主義は疲れる…≪メリット&デメリットは〇〇≫
完璧は存在するのか?
まず、完璧主義と言うのは文字通り完璧、完全を求める方を言いますが、そもそも完璧は存在するのでしょうか?
答えは自分が存在すると思えば存在しますし、存在しないと思えば存在しません。なぜなら完璧とは特定の状況を表す言葉ではなく一つの概念だからです。例えば100点満点のテストで100点を取れば、これは上限が100点という絶対的な条件があるので完璧と表現できるかもしれません。しかし論述問題など採点者の視点によって加点割合が変わってしまうようであれば、それは完璧と言えないかもしれません。
100点を取ったんだからそれは完璧だ、そこまで言うのは屁理屈だという方もいらっしゃるかと思いますが、屁理屈が入る余地がある時点で完璧でないのかもしれません。つまり世界中の全ての人が同じ結論になるものこそが完璧であると私は思います。
自分は完璧な人間だと思ってらっしゃる方は自己に対して強い自信を持っているわけですが、何を身につければ完璧なのか?どういう状態になれば完璧な人間になるのかは、人それぞれであり、仮に仕事や容姿や多くのお金を手にして社会的なステータスが高くても、それが完璧なのかは人それぞれの解釈があります。
完璧と高みを目指すは全く違う
- 高い事と完璧である事は全く違います。
- 完璧を目指す事と完璧でなければ全否定する事とは全く違います。
- 完璧を目指す事と完璧でなければ無意味だと考えるのは全く違います。
完璧というのは別の表現をすれば、これ以上ない状態を指します。つまり自分は完璧な人間だと思うという事は世界の全人類の中で自分以上の人間は存在しないと言っているわけです。
誰と比べるか?あるいはどれと比べるか?といった対象を変える事で自己評価は変わり、お仕事などで完璧を目指すという姿勢は一流を目指す方であれば必要な考え方だろうと思いますがこれには恐ろしい罠が潜んでいます。その罠についてはこのページで後述させていただきます。
完璧主義の良い面(メリット)
さてここからは完璧主義の良い面に触れたいと思いますが完璧主義はとにかく努力を惜しみません。特に自分がこれだ!と決めた対象には並々ならぬ努力やエネルギーを注ぎます。そしてその対象に対しては見事に結果を出します。
もっと上へ、もっと高く、満足している場合じゃないと感情を殺してでも結果を生み出す事に執着する事によって結果を生み出すわけです。
マイナス面(デメリット)二分法的思考とは
では完璧主義のマイナス面はどういうものがあるか?
完璧主義と二分法的思考は深く関わっています。
二分法的思考とは簡単に言うと白か黒、プラスとマイナス、優か劣、善か悪という二つのどちらかという考え方のもので、これを完璧主義に照らし合わせてみると、自らが望む状況であればOKなのだけれども、自らが考えてる通りに物事が進まなかったり、OKと思える状況でなくなるとNOとなるわけです。つまり完璧こそが肯定できるもので、それ以外は否定。そして些細なマイナスがあれば、過度にイライラしたり全否定したりしてしまうわけです。
言い換えれば100点満点こそが平穏であり自己肯定であり、99点から少しずつイライラしたり自分を責めたりして90点や80点にもなると否定度合が更に強くなるわけです。
先ほど「お仕事などで完璧を目指すという姿勢は一流を目指す方であれば必要な考え方だろうと思いますがこれには恐ろしい罠が潜んでいます。」と述べましたが、その罠とは完璧主義は調子が良い時はどんどん結果を生み出したり前進できるわけですが、やはり人間には心があり波があり、何をやっても空回りすることもあれば、どんなに努力をしても結果が伴わない場合もあります。
こういう時に息切れをしたり、下手をすると鬱(うつ)の症状になってしまうわけです。
つまり頑張り屋さんではなく”頑張り過ぎ屋さん”なのであり、燃え尽き症候群になりやすいタイプなのです。
この完璧や白か黒かの考え方の改善方法は?
そもそも、なぜ白か黒かになるのか?なぜ完璧を目指そうとするのか?その動機の部分こそが重要なのです。
少し例を挙げますが仕事で一切の妥協を許さず完璧を求めるのはプロフェッショナルな考えかもしれませんが、その一切の妥協を許さない完璧主義はどこから来るのか?
それは社内で成績を一位になって出世したいから、自分が好成績を収めないと叱られる恐怖があるから、お金が欲しいから、異性にモテたいから…。様々な動機があるでしょう。
他には自分をイジメていた人達を見返してやりたい、あるいは私をフッた元カレを見返してやりたい…。そういう動機もあるでしょう。
要するに悔しい気持ちをエネルギーに変えて完璧を目指しているのかもしれませんが、これは周囲に誰にも迷惑もかけず、影響もかけないならそれでいいでしょう。またそれによって被る損害よりも大きな収穫があるのでしたら、そのままで良いかもしれません。
また恋愛面においては恋愛や夫婦関係は自分ひとりではないので、その性格が必ず相手とのいざこざを生みます。そしてプライドが高いので自分が考える完璧の状態でしか恋愛を進めることができなかったり、無意識的にお相手に要求する度合が上がっている場合が多く、お相手に対しての不信感やイライラ傾向になってしまいがちです。
つまり「こうあるべき」という思考になっていることが多く、自分自身に対して「こうあるべき」と要求をしても自分自身に向けているので、ある程度の成果は得られるかもしれませんが、恋愛や夫婦関係はお相手がいるものです。その他人に対しての「こうあるべき」という理想像からお相手が少しでも離れた場合は敵とみなしたり、裏切者、理解してくれない者という風に攻撃対象として認識をしてしまうわけです。
そして完璧主義の大変なところは、逆の立場になって「こうあるべき」を要求されたら、とても我慢ができない上に、分析力を有している方も多いので、色々な角度からお相手を見て、結局お相手にこそ問題ありとの結論を出したりするわけです。※もちろんケースによってそれが妥当な場合も多々あります。
更にお相手が自分に対していい加減に接していることが許せないので破局を切り出したり、連絡手段を断ち切るわけです。このように極めて頑固、柔軟性の欠如が見受けられるわけですが、なぜ頑なに完璧を求めるかといえばコンプレックスが隠れている場合が多いのです。
つまり自分が考える完璧な状態であることのみが自己肯定できる。
言い方を変えれば自分で武器をつけたり、自己顕示をしていないと自分が無価値に思えてしまう。もっと自分ってすごい人間なんだよと自分自身で思うことができないと自分って存在しているかどうか分からない。
そういう劣等感やコンプレックスが潜んでいる場合が多く、誰かに頼るのが苦手であったり、心を開くというのが苦手、一匹狼になりやすいのです。そのコンプレックスをひっくり返そうとするんだけれども、頑張っても何かを手にしてもどこか満たされない自分がいたり、何かを手にしたら不足している何かを見つけてきて再びイライラしたり、完璧を求めて戦うわけです。
そして完璧でなければ自己肯定できないという背景にあるのは自己保全があるわけです。自分が傷つくのが怖いからお相手にも完璧を求めて傷つかないようにしたり、主従関係であったり優位性を明確にした関係を求めたり、完璧を作り上げるからこそ人から非難されたり、卑下される心配もないし…と。
完璧主義は家庭環境も影響も
なぜこういった心が形成されてしまうかは家庭環境の影響もあります。もちろん全てではありませんし、家庭以外、特に学生時代などの傷つく経験をしたり劣等感を強く植え付けられる経験をすることでそうなってしまう場合もあります。
この完璧主義を直す上で完璧主義は二分法的思考の特徴がありますので、完璧主義を直す直さない、完璧主義とは良い習慣、悪い習慣と二つのどちらかであるなど二分して考えないことです。どんな性格にも両面があり、当然完璧主義においてもプラス面マイナス面があります。ここまでお読みいただくと完璧主義ってマイナスだとなるかもしれませんが私は決してそうは思っていません。
人生の中で細かい事に囚われないで、仮にコンプレックスなど負の部分からのエネルギーであっても何かに打ち込み、時に失敗することで得られるものもあれば、そういう時期も必要に思いますし。
例えば若い頃から人間性や常識、良識などを過度に意識して無難こそ一番となるよりも、多少凸凹でも、枠からはみ出ても何かに燃え、何かと戦い頑張っている方が後々広がりや深さに大きな開きが出てくるように思います。
ですから完璧主義や二分法的思考の良い部分は良い部分として認識をし、完璧主義のマイナス部分が表出してきたと感じた時に全否定をしたりゼロ思考をするのではなく、そういう自分を緩和してあげる、受け流してあげる、許してあげると真正面から受け止めたり、受け入れて答えを出さなくてもいいわけです。
良い部分は伸ばし悪い部分は完全に直さなければならない。完全に悪い部分を直していなければ良い部分を帳消しにしてイライラに支配される…。決してそうではありませんよね。
悪い部分を完全に直そうとすると良い部分も変わってしまうのが人の心です。
頑固な性格、優柔不断な性格、積極的な性格、控えめな性格…。
世間はこの性格がいいとか悪いとか人それぞれの価値観がある中で表現をされているわけで、あらゆる全ての人に好かれることもなければ、あらゆる全ての人に嫌われる人もいません。
そんな万人が認める万能性を身につけたいと今思ってらっしゃるなら、なぜそういうものを身につけたいと感じているのか正直にご自分の心に問うて下さい。
万能性を身につける為、コンプレックスを解消する為に貴方らしさを捨てていませんか?貴重な人生の時間を使っていませんか?
最近は自分に勝つというフレーズをよく目にしますが自分に勝つというのは自分は敵だと言ってるわけで、自分と仲良く、自分の至らない点も許してあげましょう。自分を許せるから人を許せるんですから自分との関係こそ、最高に良好な関係を保ちましょう。
優劣ではなく自分の幸せを追求する勇気、自分しか分からない幸せや人生を歩む強さ。周りが何をしていようがどうなろうが、ブレない自分を創りましょう。誰かに何かに勝とうと必死に頑張る努力の時期も必要ですが、最終的には自分が本当に心の底から満足できる、肯定できるものを手にしなければ真の平穏は訪れません。
完璧と限界
また競技は競争ですが、人生は協力です。もちろん仕事においても他社との競争、社内との競争は切磋琢磨する意味で存在しますが、人生全般を捉えた時、実は競争より協力の方が物事が早く進む場合も多いです。完璧主義の方は他人を信じるのが怖い部分があり、他人に振り回されるのが嫌な部分もありますが、一度協力というところに踏み入れても良いのではないでしょうか?
自力の限界を知れば、おのずと他力の必要性を感じ、自力と他力を組み合わされた時、あなたの人生はもっと花開くでしょう。
これに気づかれれば常にピリピリしている心の緊張感や肩の荷が少しでも軽くなるのではないでしょうか?
最後に第64・65代内閣総理大臣の田中角栄さんの名言をご紹介させていただきます。
世の中は、白と黒ばかりでは無い。敵と味方ばかりでもない。その真ん中にグレーゾーンがあり、これが一番広い。真理は常に中間に有りだ。このことを知ることが大事だ
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