これをご覧いただいている方の中にはうつ病を患っている恋人とお付き合いをされている方もいらっしゃるかと思います。このコラムではそんなうつ病の恋人とどのように接すれば良いのか?良い接し方、対応方法をお話させていただきます。
難しい恋人との距離感
うつ病の方とお付き合いをしているといっても同棲をしている方、お互い別の所に住んでいる方、お互いの年齢など細かく見ていけば、それぞれ違う状況かと思いますが、全般的にうつ病を患っている恋人とお付き合いをしていて、難しく感じるのは距離感ではないかと思います。
感情の浮き沈むが激しかったり、かまって欲しいのかと思ったら、一人になりたいと言い出したり、発言内容が一貫していなかったり…。うつ病を患っているといっても、それは軽度なのか?それとも重度なのか?もあり、当事者の方の辛さは異なってきます。
うつ病は波がある
私自身はうつ病の重度患者になりましたが、いきなり重度からスタートしたわけではなく軽度から始まり、いずれ重度に症状が悪化していました。だからこそ軽度と重度では辛さが全く違います。
もし恋人が軽度で、それなりにお互いの会話を交わせる状態にあるなら、本当にこの人はうつ病なのか?と思ったりすることもあるかもしれませんが、うつ病で気をつけなければいけないのは私のように軽度から重度になる場合もあるのです。
また今日は元気に話せたから、この人のうつ病はもう完治したんだと勘違いしないことです。うつ病は治療のどの段階かによりますが、今日が元気でも何らかの動揺すべき事が起こったり、ご自身の不安思考によって、症状を悪化させるなど「波」があるんですね。
だから元気になったと思ったら、また鬱症状が酷くなったなどと言われる方も少なくないはずです。
ベストな恋人との接し方は?
こんな恋人との接し方は、基本的に恋人の自由にさせてあげるのがベストなんですね。こちらの価値観やこちらの都合を要求しないのがベスト。ただただ恋人の事を一番に思うならありのままを受け入れてあげることです。
しかし中にはそんなありのままを受け入れられない、こちらにも言い分がある、プライドがあるという事でしたら、それをうつ病の当事者である恋人にお伝えしても良いと思います。ただうつ病を患っている状態に正論だとか客観的に意見を述べても、それはうつ病当事者に更なる負担を強いるだけで、下手をすると『この人と一緒にいると疲れる、苦しい、一人になりたいと思われて』別れにつながる可能性がありますので言い回しやタイミングを誤らないようにしてください。
また恋人が心配だからと、こちらから頼まれてもいないのに過保護的にあれをしてあげよう、これをしてあげようと色々と世話をしてあげようというのも、逆効果になりかねません。
その色々してくれるということで疲れるというか、それに対処しないといけないという部分でうつ病当事者の方が疲れてしまう場合もあります。ですから基本的には求められたことをしてあげる、それ以上はそっとしておいてあげるのがベストです。
LINEなどの連絡においても、こちらから何度も連絡をするのではなく、いつでも連絡をしてくれたらいいから、私は待っているからと、寄り添う姿勢、傍にいるという安心感を与えてあげた後は、当事者の方が連絡したい時にしてくれるまで待ってあげた方がいいのです。
うつ病に振り回され過ぎないように
これが本来の看病なのではないかと思います。昔高熱を出した時に、お母さんやお父さんが食事だったり、色々身の回りの世話をしてくれたと思いますが、その時に何かを要求されたことはなかったはずです。これが尽くす看病ということですね。
こういう辛い時にどう接してくれたかは、今後とても大切だと思います。尽くしてあげれば、本当に自分はこの人のいない人生は考えられないと思ってくれるでしょうし、負担ばかりを与えてしまうと、当事者の方は『この人といたら疲れる』『この人と価値観が合わない』などと思うかもしれません。
身近な人がうつ病になる事で、支える側も相当な負担を強いられるのが看病です。ですから恋人のありのままを受け入れてあげて下さいといっても、受け入れられないものまで無理に受け入れようとすると、あなた自身がおかしくなりかねませんから、100%を目指そうなどと考えずに、70%程度で十分素晴らしい対応だと思います。
ですから恋人も大切ですが、ご本人がしっかりしているから看病はできるのですから、第一に考えるべきはあなた自身であることを付け加えておきます。
皆様の一日でも早いご回復を願っております!