どんな仕事?
まず初めに一般的に消防士といわれる職業は消防官を指します。この消防官の仕事は火災の消火活動や人命救助を行うのが仕事で、消防隊員とも言われます。いち早く現場へ赴き、火災の抑圧・鎮静作業を行うとともに人命を救助します。所属先は地方自治体の消防本部や消防署で、地方公務員となります。火災だけではなく、自信による家屋の倒壊や台風などの災害にも対応し、救急搬送も消防が担っています。
なる為に必要な学歴
消防士(消防官)になる為には消防士採用試験に合格することが必要です。消防士は市町村職員ですから地方公務員に該当し、募集や試験の応募は各自治体に行います。ですからその自治体が募集をしていなければ消防士採用試験に受けることはできませんがほとんどの自治体が年1回実施しており東京消防庁は年2回、6月と8月に試験を行っていますが退職者数などにより採用人数は変更する場合があります。
高卒・大卒
消防士(消防官)は大卒はもちろんのこと短大や専門学校、高卒でもなることは可能です。ここでは地方の消防士(消防吏員)についてお話させていただきます。東京消防庁は別ページでご案内させていただきますが後日追記致します。
まず高卒でも受験資格があることは述べましたが、他に国籍を問わないという自治体もあります。但し日本国籍がない場合は業務に制限があります。
消防吏員というのは地方の消防士のことで、募集の区分はA、Bという区分の場合もあれば、A、B、C、Dという区分の場合もあります。この区分は何かというと職種別の区分とお考え下さい。
例えば消防吏員Aの受験資格は高卒なら高卒、大卒なら大卒と規定の学歴を持っていれば受験資格を得ることができますが、消防吏員Bは航海・機関になりBの受験資格は6級海技士(航海)以上あるいは5級海技士(機関)以上の免許を有する人という風に変わるわけです。
ただ、ほとんどの方は航海・機関を希望しておらず規定の学業を終えていれば試験を受けられる消防吏員Aを受験されています。
試験内容
一次試験:教養試験・論文試験
二次試験:面接試験・体力検査・身体検査・適性検査
体力検査は立ち幅飛び、握力、腕立てふせ、上体起こし、けんすい、長座体前屈、反復横飛び、持久走等ですが一次試験、二次試験共に各自治体で行っている為、どういった問題が出題されるか?その難易度であったり体力検査の内容もそれぞれで異なります。
採用試験の後は消防学校に入校
二次試験に合格すれば消防士になれるかと言うと違います。合格後は消防学校に入校し約6ヵ月間の研修を受け、それぞれの勤務地に配属されて消防士として活躍できます。ただし消防学校に入った後の研修期間中は正しく公務員としての給与は支給されます。
大学の学科・学部
消防士を目指すにあたり大学の学科、学部はどこに進めば良いのでしょうか?これは10人に聞けばそれぞれ異なる回答が返ってくるほど明確なものはありません。要するに何か学びたいかです。どちらかいうと試験対策と考えた場合は文系、社会学部など、防災、級救急を学ぶなら危機管理学部、救急救命学科、医療工学科〈救急救命コース〉などでしょう。
学歴は重要でない?
様々な職を見ると高卒よりも大卒の方が出世をしていったり給料が良いように感じますが、消防士の場合は大卒って意味あるの?という意見も結構あります。高卒でも昇任試験の勉強をして合格すれば、大卒の先輩を出し抜いて給料もアップします。またあまり意味のない大学に進学するよりも救命士の専門学校から消防士、あるいは消防士として役に立つ技能を専門学校で学んで消防士という道の方が明らかに有効な道と説く方もいらっしゃいます。
仕事内容
消防士は消防隊員とも呼ばれていますが、正式には消防官または消防吏員となります。消防士というのは階級であり、10階級の中の最下位の階級です。一般的には消防職員のことを消防士と呼びますが、近年は警察官や自衛官のように消防官という呼称に変わりつつあります。
消防士の業務は「消火」「救助」「救急」「防災」「予防」という5つの活動が主になります。
- 消火活動… 火災現場にいち早く出動し、火災を食い止めながら、人命救助を行います
- 救急活動… 119番通報を受け、現場に向かい、応急手当を施してから医療機関に搬送します。救急車には3人が乗車し、1名は救急救命士の資格を持っています
- 救助活動… 災害現場で人命救助を行います
- 防災活動… 火災が起きないような啓蒙活動を行い、災害を未然に防ぎます
- 予防活動… 建物の安全性や消防用設備の設置において、審査・検査・指導を実施します
消防の中には、特別な訓練を受け人命救助の専門部隊である特別救助隊(レスキュー隊)や、東京消防庁には震災やNBC災害に対応する高度な部隊である消防救助機動部隊(ハイパーレスキュー)、横浜消防局には特別高度救助部隊(スーパーレンジャー)、政令市などには高度救助隊・高度救助隊が設置されています。
意外なことに消防士の出動回数で最も多いのは救急であり、火災ではありません。実にハードな仕事である消防士は体力、迅速な判断力、人の命を守るという正義感が求められます。
地方公務員の消防士の平均年収や給料・収入は高い低い?
消防士のお給料ですが公務員ですから俸給によって決定されますが消防士は危険性の高い仕事である事から公安職となり一般職員と異なる特別給料表(公安職俸給表(一))が適用されるため、一般的な公務員と比べて約12%の給料が支給されています。
また火災や災害現場に出動した場合消防業務手当、緊急の業務の出勤の場合は緊急出勤手当、その他に危険作業手当や重勤務作業手当などの特殊勤務手当もつきます。ただし諸々の手当は自治体によって変わってきます。
40歳の場合のモデルケースでは600万円以上となっています。ただし職位によって異なります。高卒と大卒では若干給料は大卒の方が良いですが昇格に大卒も高卒もありません。この仕事は体力や精神力も問われ高卒だからと不利になる仕事ではありません。
初任給ランキング(大学卒業程度)
- 東京消防庁:約27万円
- 札幌市:約18万円
- 仙台市:約20万円
- さいたま市:約20万円
- 千葉市:約20万円
- 横浜市:約21万円
- 新潟市:約20万円
- 静岡市:約19万円
- 名古屋市:約20万円
- 京都市:約21万円
- 大阪市:約20万円
- 神戸市:約20万円
- 岡山市:約19万円
- 広島市:約20万円
- 福岡市:約20万円
※初任給は平成23年の給料データ。手当等で初任給は変動します。
消防士の退職金
公務員の退職金は下記の計算で算出されます。
「基本額(退職日の俸給月額×支給率)+調整額」
個々の説明は割愛させていただきますが消防士の場合の退職金は2,000万円~2,600万円と言われています。
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[fireman]
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