このコラムでは私自身の体験を元に、うつ病の回復期は自分自身がどういう風な状態になるのか?またこの回復期はどのように過ごせばいいのか?注意点なども併せてお話させていただきます。
私自身の回復期
まず、回復期という期間はどのような状態を指すのか?についてですが、この回復期に入っていくと症状は落ち着いてきて、例えマイナスな考えが浮かんできたとしても、そこからどんどん不安感情が増幅して、ソワソワして落ち着かない、色々な事が怖くなって自分自身が恐怖心に覆われるといったことはなくなります。
私自身はうつ病を発症してから精神科に入院するまでに至った重度だったので、本当に回復期になった時は、まさか自分が回復期まで来れるなんて本当に思っていませんでした。
また今から回復期に入りますだとか、まだ回復期ではありませんといった回復期か否かの線引きも明確に定められるものではありませんが、少し何らかの意欲が湧いて来たり、笑顔が増えたり、仕事がしたくなったり、気分の浮き沈みの上下幅が緩やかになったり、しっかり眠れて、しっかりご飯も食べられるようになってきたなど、どういった感情が出れば回復期突入と他人が勝手に決めるものではないと思いますが、やはり感情の安定がそれなりの期間継続されていて、”一定期間を振り返った時に”自分自身がかなり落ち着いていると感じることができた時は、それが回復期に突入しているとの一つのサインかもしれません。
休職は急がない
うつ病になった原因も人それぞれで、休職をされている方もいらっしゃるかと思いますが、もし復職を急がないで良い状況でしたら、しっかり回復されてからが望ましいかと思います。回復期に入ってくると、どんどん元の自分に戻りつつある感覚が芽生え、引きこもり生活から抜け出したり欲求や毎日が暇で逆に辛いといった人もいらっしゃるでしょうけれど、回復期は、再発させない為のしっかりした念を押す期間だと思います。
抗うつ薬を服用されている方も、回復期に入ったから、すぐに服用を止めるより服用をストップさせる期間は、もう少し先で良いと思います。私自身のお仕事はフリーランスなので、元の職場に戻るなどの復職という形はありませんでしたが、やはり家族の不幸事など、精神的に動揺することが起これば、それがストレス源となり、完全に元の状態にまで戻ったわけではないですが、また症状がキツくなってくたので、再度抗うつ薬を服薬という逆戻りしました。
ですので置かれている状況によっては、復職も見切り発進しないといけないケースもあると思いますが、なるべくお勤めの職場の上司と相談されてフルタイムの復職の前に、いくつもの段階を置いてもらえるよう相談なさって下さい。
あまりハードルを上げると回復期が長引く?
うつ病になると、どこか「自分が弱くなった」感覚に襲われますよね。今まで当たり前にできていた事ができなくなったり、行動範囲が狭まったり。そして回復期に入っても、どこか再発の不安があったり、これから元の生活を取り戻すことができるかなと疑問を持ったり。
あまり完全な完治をしようと意気込むと人によっては回復期が長引いてしまうかもしれません。もちろん誰だって、薬を服用するのを完全に止められるまでに回復をしたいですが、うつ病から回復したからといって自分が完全に生まれ変わるわけではありませんし、あまり自分にプレッシャーをかけるのは良くない場合もあります。
実際、抗うつ薬を予防的に飲んで実生活を送っている方はかなり多いようですし、抗不安薬のみ、睡眠導入剤のみと人によって長く服用しているお薬は違うようです。
仮にご自身でうつ病が完治したといっても、そもそも完治という概念に疑問がありますよね。仮にガンになって腫瘍を除去しても再発する時はしますし、完治したしないに関わらず、老いという方向に自らが進んでいるので、100%とは言えないまでも何らかの病気になる可能性は高いわけです。
うつ病を数年と長く患っている方は、うつ病と闘うというより、うまく付き合っている、共存しているという境地に至っている方が多いようで、無理に完全に治さないといけないという心理はもう持っていない方が多いように感じます。
ですから、ご自身の性格や年齢、環境などを考えて、うつ病とうまく付き合うというより、ご自分とうまく付き合う術を身につけ、学びたいところですよね。
皆様の一日でも早いご回復を願っております!