山本常朝に関する名言集・格言集
山本常朝
さては世が末になり、男の気おとろへ、女同前になり候事と存じ候。口のさきの上手にて物をすまし、少しも骨骨とある事はよけて通り候。若き衆心得有りたき事なり
『マルチョン名言集・格言集』
山本常朝
今どきの奉公人を見るに、いかう低い眼の着け所なり。スリの目遣ひの様なり。大かた身のための欲得か、利発だてか、又は少し魂の落ち着きたる様なれば、身構えをするばかりなり
『マルチョン名言集・格言集』
山本常朝
人中にて欠伸仕り候事、不嗜なる事にて候
『マルチョン名言集・格言集』
山本常朝
大慈悲を起こし人の為になるべき事
『マルチョン名言集・格言集』
山本常朝
親に孝行仕るべき事
『マルチョン名言集・格言集』
山本常朝
主君の御用に立つべき事
『マルチョン名言集・格言集』
山本常朝
武士道においておくれ取り申すまじき事
『マルチョン名言集・格言集』
山本常朝
酒に酔ひたる時一向に理屈を言ふべからず。酔いたるときは早く寝たるがよきなり
『マルチョン名言集・格言集』
山本常朝
先ずよき処を褒め立て、気を引き立つ工夫を砕き、渇く時水を呑む様に 請け合わせ疵直るが意見なり
『マルチョン名言集・格言集』
山本常朝
大事の思案は軽く、小事の思案は重く
『マルチョン名言集・格言集』
山本常朝
慈悲より出づる智勇は本ものなり、慈悲の為めに罰し、慈悲の為め働く故に、強く正しきこと限りなし
『マルチョン名言集・格言集』
山本常朝
大難大変に逢うても動転せぬといふは、まだしきなり。大変に逢うては歓喜踊躍して勇み進むべきなり
『マルチョン名言集・格言集』
山本常朝
武士は、仮にも弱気のことを云ふまじ、すまじと、兼々心がくべき事なり
『マルチョン名言集・格言集』
山本常朝
勝(かつ)といふは、味方に勝事也。味方に勝といふは、我に勝事也。我に勝といふは、気を以(もって)、体(たい)に勝事也
『マルチョン名言集・格言集』
山本常朝
今の世を、百年も以前のよき風になしたく候ても成らざる事なり。されば、その時代々々にて、よき様にするが肝要なり
『マルチョン名言集・格言集』
山本常朝
只今の一念より外はこれなく候。一念々々と重ねて一生なり
『マルチョン名言集・格言集』
山本常朝
大行(たいこう)は細瑾(さいきん)をかへりみずと云ふことあり
『マルチョン名言集・格言集』
山本常朝
勝茂公兼々御意なされ候には、奉公人は四通りあるものなり。急だらり、だらり急、急々、だらりだらりなり
『マルチョン名言集・格言集』
山本常朝
兼好・西行などは、腰ぬけ、すくたれ者なり。武士業(わざ)がならぬ故、抜け風をこしらへたるものなり
『マルチョン名言集・格言集』
山本常朝
徳ある人は、胸中にゆるりとしたる所がありて、物毎いそがしきことなし。小人は、静かなる所なく当り合ひ候て、がたつき廻り候なり
『マルチョン名言集・格言集』
山本常朝
少し眼見え候者は、我が長(た)けを知り、非を知りたると思ふゆゑ、猶(なほ)々自慢になるものなり。実に我が長け、我が非を知る事成り難きものの由。海音(かいおん)和尚御咄(おんはなし)なり
『マルチョン名言集・格言集』
山本常朝
人間一生誠に纔(わづか)の事なり。好いた事をして暮すべきなり。夢の間の世の中に、すかぬ事ばかりして苦を見て暮すは愚(おろか)なることなり。この事は、悪しく聞いては害になる事故、若き衆などへ終に語らぬ奥の手なり。我は寝る事が好きなり。今の境界相応に、いよいよ禁足して、寝て暮すべしと思ふなり
『マルチョン名言集・格言集』
山本常朝
端的只今の一念より外はこれなく候。一念一念と重ねて一生なり
『マルチョン名言集・格言集』
山本常朝
恋の至極は忍恋と見立て候。蓬ひてからは恋のたけが低し、一生忍んで思ひ死(じに)する事こそ恋の本意なれ
『マルチョン名言集・格言集』
山本常朝
世に教訓をする人は多し、教訓を悦ぶ人はすくなし。まして教訓に従ふ人は稀(まれ)なり。年三十も越したる者は、教訓する人もなし。教訓の道ふさがりて、我儘(わがまま)なる故、一生非を重ね、愚を増して、すたるなり
『マルチョン名言集・格言集』
山本常朝
若き内に立身して御用に立つは、のうぢなきものなり。発明の生れつきにても、器量熟せず、人も請け取らぬなり。五十ばかりより、そろそろ仕上げたるがよきなり。その内は諸人の目に立身遅きと思ふ程なるが、のうぢあるなり
『マルチョン名言集・格言集』
山本常朝
少し理屈などを合点したる者は、やがて高慢して、一ふり者と云はれては悦び、我今の世間に合はぬ生れつきなどと云ひて、我が上あらじと思ふは、天罰あるべきなり
『マルチョン名言集・格言集』
山本常朝
武士道に於(おい)ては死狂ひなり
『マルチョン名言集・格言集』
山本常朝
芸は身を助くると云ふは、他方の侍の事なり。御当家の侍は、芸は身を亡ぼすなり。何にても一芸これある者は芸者なり、侍にあらず
『マルチョン名言集・格言集』
山本常朝
大酒(たいしゅ)にて後れを取りたる人数多(あまた)なり。別して残念の事なり
『マルチョン名言集・格言集』
山本常朝
幻(げん)はマボロシと訓(よ)むなり。天竺(てんじく)にては術師の事を幻出師(げんしゅつし)と云ふ。世界は皆からくり人形なり。幻の字を用ひるなり
『マルチョン名言集・格言集』
山本常朝
人に意見をして疵(きず)を直すと云ふは大切の事、大慈悲、御奉公の第一にて候
『マルチョン名言集・格言集』
山本常朝
盛衰を以て、人の善悪は沙汰されぬ事なり
『マルチョン名言集・格言集』
山本常朝
名人も人なり 我も人也
『マルチョン名言集・格言集』
山本常朝
酒盛の様子はいこうあるべき事なり。心を附けてみるに、大方飲むばかりなり。酒というものは、打ち上がり綺麗にてこそ酒にてあれ、気が附かねばいやしく見ゆるなり。大方、人の心入れ、たけだけも見ゆるものなり。公界物なり
『マルチョン名言集・格言集』
山本常朝
礼にて腰は折れず、敬語で筆は磨り減らぬ
『マルチョン名言集・格言集』
山本常朝
分別も久しくすれば寝まる
『マルチョン名言集・格言集』
山本常朝
土は食はねども高楊子、内は犬の皮、外は虎の皮
『マルチョン名言集・格言集』
山本常朝
毎朝、毎夕、改めては死ぬ死ぬと、常往死身に成っているときは、武道に自由を得、一生落度なく、家職を仕果すべきなり
『マルチョン名言集・格言集』
山本常朝
若し図にはづれて生きたらば、腰抜けなりとて、世の物笑ひの種となるなり。此のさかひ、まことに危し。図にはづれて死にたらば、犬死気違ひとよばるれども、腰抜けにくらぶれば、恥辱にはならず。是れが武道に於いてまづ丈夫なり
『マルチョン名言集・格言集』
山本常朝
若し図にあたらぬとき、犬死などと云ふは、上方風の打ち上がりたる武道なるべし。二つ一つの場合に、図にあたることのわかることは、到底出来ざることなり。我れ人共に、等しく生きる方が、万々望むかたなれば、其の好むかたに理がつくべし
『マルチョン名言集・格言集』
山本常朝
凡そ二つ一つの場合に、早く死ぬかたに片付くばかりなり。別に仔細なし。胸すわりて進むなり
『マルチョン名言集・格言集』
山本常朝
武士たるものは、武道を心掛くるべきこと、珍からしからずといへども、皆な人油断と見えたり。其の仔細は、武道の大意は、何と御心得候か、と問ひかけられたるとき、言下に答へ得る人稀なり。そは平素、胸におちつきなき故なり。さては、武道不心がけのこと、知られ申し候。油断千万のことなり
『マルチョン名言集・格言集』
山本常朝
凛とした気持ちでいれば、七呼吸の間に判断がついてしまうものである
『マルチョン名言集・格言集』
山本常朝
貴となく、賤となく、少となく、悟りても死、迷うても死
『マルチョン名言集・格言集』
山本常朝
翌日の事は、前晩よりそれぞれ案じ、書きつけ置かれ候。これも、諸事人より先にはかるべき心得なり
『マルチョン名言集・格言集』
山本常朝
我人、生くる事が好きなり
『マルチョン名言集・格言集』
山本常朝
『只今がその時』、『その時が只今』、つまり、いざという時と平常とは同じことである
『マルチョン名言集・格言集』
山本常朝
私なく案ずる時は、不思議の知恵も出づるなり
『マルチョン名言集・格言集』
山本常朝
礼儀を乱さず、へり下りて、我が為には悪しくとも、人の為によき様にすれば、いつも初会の様にて、仲悪くなることなし
『マルチョン名言集・格言集』
山本常朝
武士道と云ふは、死ぬ事と見付けたり
『マルチョン名言集・格言集』
山本常朝
五十ばかりより、そろそろ仕上げたるがよきなり
『マルチョン名言集・格言集』
山本常朝
不幸せの時くたびれる者は、役に立たざるなり
『マルチョン名言集・格言集』
山本常朝
志の低い男は、目の付け所が低い
『マルチョン名言集・格言集』
山本常朝
何様(なによう)の能事(のうじ)持ちたりとて、人の好かぬ者は役に立たず
『マルチョン名言集・格言集』
山本常朝
人生のどんな隅にも、どんなつまらなそうな境遇にも、やっぱり望みはあるのだ
『マルチョン名言集・格言集』
山本常朝
人間の一生などは、ほんとうに短いものだ。だから好きなことをして暮らすのがよい。つかの間ともいえるこの世において、いやなことばかりして苦労するなんて愚かなことだ。だが、このことは、悪く解釈すると害になるので、若い人たちにはついに教えることのなかった「人生の秘伝」といったものだ
『マルチョン名言集・格言集』
言葉
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