言志四録に関する名言集・格言集
言志四録
人は少壮の時にあたりては、惜陰を知らず。四十を過ぎて以後始めて惜陰を知る
意味:人は20歳代や30歳代では人生の大切さを知らない。40歳を過ぎて初めてその大切さを知る
『マルチョン名言集・格言集』
言志四録
静を好み動を厭うを懦という。懦は事を了するを能わず。動を好み静を厭うを躁という。躁は物を鎮むるを能わず
意味:静を好み動を厭う者を臆病者という。臆病者は物事を成し遂げることはできない
動を好み静を厭う者を軽躁者という。軽躁者は物事を鎮める力はない
『マルチョン名言集・格言集』
言志四録
好みて大言を為す者あり。その人必ず少量なり
意味:大言壮語の者は必ず器量が小さい
『マルチョン名言集・格言集』
言志四録
国に道有る時は言路開く。慶すべきなり。ただ恐れる、功利の徒、時に乗じて紛起群奏するを
意味:国家が正しい道を進んでいる時は意見が通る。慶ばしいことである
ただ心配することは、意見が通ることに付け込んで権益を狙う者が現れる
『マルチョン名言集・格言集』
言志四録
人主の学は、知・仁・勇の三字にあり
意味:上に立つ者の学問は知・仁・勇の三つにある
『マルチョン名言集・格言集』
言志四録
人を知るは難くして易く、自ら知るは易くして難し
但だ当に諸を夢寐に徴して以て自ら知るべし
夢寐は自ら欺く能わず
意味:人を知るのは難しいようで易しい。自らを知るのは易しいようで難しい
ただ自らのことは夢に出るので知ることができる
夢は自らを欺くことはできない
『マルチョン名言集・格言集』
言志四録
孔子を学ぶ者は孔子の志を以て志と為すべし
意味:孔子の学問を学ぼうとすれば、孔子の志を自分の志にするべき
『マルチョン名言集・格言集』
言志四録
自らを欺かず。之を天に事うと謂う
意味:自らを偽らない。これを天に事えると言います
『マルチョン名言集・格言集』
言志四録
聖人は九族を親しむ
意味:聖人は前後九代の先祖に思いを馳せる
『マルチョン名言集・格言集』
言志四録
誠の物を動かすは、慎独より始まる
意味:誠実さが物事を動かすというが、それは孤独の慎みから始まる
『マルチョン名言集・格言集』
言志四録
立志の功は、恥を知るを以て要と為す
意味:功を立てるには実現できなかった場合の恥を自覚することが必要
『マルチョン名言集・格言集』
言志四録
暁に早起を要し、夜に熟睡を要す
意味:朝は夜明け前に起き、夜は熟睡が必要
『マルチョン名言集・格言集』
言志四録
権豪に近づきて、名を落とすべからず
意味:権力のある者に近づいて自らの名を落としてはならない
『マルチョン名言集・格言集』
言志四録
世を渉るの道は、得失の二字に在り
得べからざるを得ること勿れ
失うべからざるを失うこと勿れ
此かくの如ごときのみ
意味:世渡りの道は得と失の2字にある
誤った方法で利益は得てはいけない
自らの信念・志のようなものは失くしてはいけない
これが処世術である
『マルチョン名言集・格言集』
言志四録
上官たる者、事物において嗜好無かるべし。ただ義を嗜み善を好むは、厭わざるのみ
意味:上司は為すべき事に対して物事の好みがあってはならない。ただ正道や善行を好む事は、この限りではない
『マルチョン名言集・格言集』
言志四録
人の賢愚は初めて見るときにおいてこれを相するに多くを誤らず
意味:立派な人物かどうかは、最初に会った際の面相で判断して間違いない
『マルチョン名言集・格言集』
言志四録
怠惰の冬日は何ぞその長きや
勉強の夏日は何ぞその短きや
長短は我れに在りて、日に在らず
待つ有るの一年は何ぞ其の久しきや
待たざるの一年は何ぞ其の速かなるや
久速は心に在りて年に在らず
意味:惰性の冬の日はなんと長いことであろうか
勉学に励んでいる夏の日はなんと短いだろうか
この長短は自分の心の持ち方次第で、日そのものが短いわけでも長いわけでもない
何かの楽しみを待っている1年はなんと待ち遠しいものか
何ら待つことの無い1年はなんと速く過ぎていくことか
この長く久しい事も自分の心の持ち方次第で、年そのものではない
『マルチョン名言集・格言集』
言志四録
富を欲するの心は即ち貧なり
貧に安ずるの心は即ち富なり
意味:欲には際限がなく、欲する心は貧しい
足るを知ればそれが富である
『マルチョン名言集・格言集』
言志四録
得意の時候は、退歩の工夫を著くべし
意味:順調の際は、一歩を退くくらいの謙虚さが必要である
『マルチョン名言集・格言集』
言志四録
鋭進の工夫はもとより易からず。退歩の工夫はもっとも難し
意味:猛進していく工夫は容易ではない。退く工夫はそれ以上に難しい
『マルチョン名言集・格言集』
言志四録
小利に動かされざるは難し
意味:目先の小さな利益に惑わされないようにすることは難しい
『マルチョン名言集・格言集』
言志四録
必ずしも福を干めず、禍無きを以て福と為す
必ずしも栄を希わず、辱無きを以て栄と為す
必ずしも寿を祈らず、夭せざるを以て寿と為す
必ずしも富を求めず、餒えざるを以て富と為す
意味:必ずしも幸福を求める必要は無く災禍が降りかかってない事を幸福と思えば良い
必ずしも栄誉を希わなくても良く、屈辱をかかなければ栄誉である
必ずしも長寿を祈らなくても良く、若死にしなければ長寿である。
必ずしも富裕にならなくても良く。飢えなければ富んでいる
『マルチョン名言集・格言集』
言志四録
人の一話一言は徒らに聞くこと勿れ
必ず好歹有り。弁ず可し
意味:人の話や言葉でもいい加減に聞いてはいけない
その話や言葉の中に必ず善と悪があるから、よく弁別すべきである
『マルチョン名言集・格言集』
言志四録
小人にして多才多芸の者あり。まさに人の国を乱るに足る
意味:器量の小さい人は才能があっても国を乱すだけである
『マルチョン名言集・格言集』
言志四録
有りて無き者は人なり。無くて有る者も亦また人なり
意味:人は多くいるが、いないのは立派な人物。しかし立派な人物はいないようでいる
『マルチョン名言集・格言集』
言志四録
自ら利を専らにすれば、怨みを取るの道たるのみ
意味:利益の独占に走れば他人から怨みを買う
『マルチョン名言集・格言集』
言志四録
寝に就く時、懐を空虚にし、夜気を養うべし
意味:就寝の際には心を空っぽにして夜の生気を養うべきである
『マルチョン名言集・格言集』
言志四録
春風を以て人に接し、秋霜を以て自ら慎む
意味:春風のように軽やかな人に接し、秋霜の厳しさを以って自制する
『マルチョン名言集・格言集』
言志四録
身には老少有りて、心には老少なし
気には老少有りて、理には老少なし
須く能く老少無きの心を執りて
以て老少無きの理を体すべし
意味:人の体には老化と若さが有っても心には老少は無い
気には老少の差があるが、道理には老少は無い
だから老人・若者ということに捉われない心を持ち老少の無い道理を体得すべきだ
『マルチョン名言集・格言集』
言志四録
口舌は人従うことを肯ぜず。躬行は人これに従う。 道徳は人自然二服従し痕跡を見ず
意味:口先だけの人には従わべきでない
行動で示す人に従う
徳識の人には誰もが心服し、服従している意識さえもない
『マルチョン名言集・格言集』
言志四録
一燈を提げて暗夜を行く。暗夜を憂うること勿れ、只一燈を頼め
意味:提灯を掲げて暗い夜道を歩む
夜道の暗さを憂うんじゃない
ただひたすらに提灯の一燈を信じて突き進め。
『マルチョン名言集・格言集』
言志四録
将たる者は一時の勝敗を論ぜずして、士気を振励し義勇を鼓舞しむ
意味:指導者は一時の業績にとらわれず、組織を鼓舞し大義名分を理解させて活性化することである
『マルチョン名言集・格言集』
言志四録
天道・人事は、皆漸を以て至る
楽を未だ楽しからざる日に楽しみ
患を未だ患えざるの前に患うれば
則ち患免れるべく、楽全うすべし
省みざるべけんや
意味:森羅万象様々な出来事は全て徐々に起こってくるもの
それで楽しみが来る前に楽しみ
心配事が起こる前に用心しておけば
心配事は免れる事ができるし
楽しみは全うすることができる
心に留めておくべきだ
『マルチョン名言集・格言集』
言志四録
清忙は養を成す。過閑は養に非ず
意味:清らかな忙しさは養生になる。暇を持て余すようでは養生にはならぬ
『マルチョン名言集・格言集』
言志四録
人の一生には順境有り
逆境有り。消長の数、怪む可き者無し
余又自ら検するに、順中の逆有り、逆中の順有り
宜しく其の逆に処して、敢て易心を生ぜず
其の順に居りて、敢えて惰心を作さざるべし
惟だ一の敬の字、以て逆順を貫けば可なり
意味:人の一生には順境もあれば逆境もある
これは少しも不思議ではない
だが、順境や逆境といっても
順境の中にも逆境があれば逆境の中にも順境がある
だから逆境でも不満にならず
順境でも慢心になってはいけない。ただ、敬を以てば良い
『マルチョン名言集・格言集』
言志四録
余は饒舌の時、自ら気の暴するを覚える
意味:饒舌の時は自らの気が暴走している事を感じる
『マルチョン名言集・格言集』
言志四録
余は少壮の時、気鋭なり
晩年に至り、意のごとくなる能わず
意味:自分は若い時には気力もあり鋭敏だった
晩年になると思うように力が発揮できない
『マルチョン名言集・格言集』
言志四録
子を教うるの道は、己を守るに在り
意味:我が子を教える為には親が人の道を守って見本となることである
『マルチョン名言集・格言集』
言志四録
憤の一字は是れ進学の機関なり
舜何人ぞや、予何人ぞやとは、方に是れ憤なり
意味:憤の一字が学を進展させる力である
孔子の弟子の顔淵も同じ人間ではないかという言葉はまさに憤である
『マルチョン名言集・格言集』
言志四録
年間の人事万端 算え来たれば十中の七は無用なり
意味:年間に生ずる様々な出来事の十のうち七つは敢えて行う必要のないものである
『マルチョン名言集・格言集』
言志四録
緊しく此の志を立てて以て之を求めば
薪を運び水を運ぶと雖も
亦是れ学の在る所なり
況や書を読み理を窮むるをや
志の立たざれば、終日読書に従事するとも
亦唯だ是れ閑事のみ
故に学を為すは志を立つるより尚なるは莫し
意味:立派な人になる強い志を立てて達成しようとするならば
薪を運び水を運んでいても学びに通じる
況してや書物を読み道理を知る事に集中するならば
目的を達成しないほうがおかしい
しかし志が立っていなければ終日読書しても
無駄に終わることになる
だから立派な人になるには
何よりも志を確立することが大切である
『マルチョン名言集・格言集』
言志四録
凡事を作すは、須らく天に事ふるの心有るを要すべし
人に示すの念有るを要せず
意味:全ての事業を行うには必ず天の意志に従う心を持つべきである
他人に誇示する気持があってはならない
『マルチョン名言集・格言集』
言志四録
春風を以て人に接し
秋霜以て自ら粛む
意味:人に対する際は春風のように穏やかで和やかな心
伸びやかで寛大な心で接し
自らに対する際は秋の霜のように
鋭く烈しく厳しい心で律していかなければならない
『マルチョン名言集・格言集』
言志四録
聡明にして重厚
威厳にして謙沖
人の上たる者はかくの如くなるべし
意味:賢明で存在感があり
威厳と謙虚さが湧き出てくるような人物
上に立つような者はこのようにありたい
『マルチョン名言集・格言集』
言志四録
少にして学べば
則ち壮にして為すこと有り
壮にして学べば
則ち老いて衰えず
老いて学べば、則ち死して朽ちず
意味:少年の時に学んでおけば壮年になってから役に立ち
何事かを為すことができる
壮年の時に学んでおけば
老年になっても気力が衰えることはない
老年になって学んでおけば
ますます見識も高くなり社会に役立つこととなり
死んでからもその名は残る