ウィトゲンシュタインの名言集・格言集
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン
語るのではなく示せ
『マルチョン名言集・格言集』
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン
良心とは認識の生が保証する幸福のことだ。認識の生とは、世の中の苦しみにもかかわらず幸福であるような生のことだ。
世の中の楽しみを断念しうる生のみが幸福なのだ。
世の中の楽しみは、この生にとって、たかだか運命の恵みにすぎない
『マルチョン名言集・格言集』
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン
梯子を登り終えたら、その梯子を投げ捨ててもらわねばならない
『マルチョン名言集・格言集』
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン
言えることははっきり言えるものだ。はっきり言えないことは、沈黙していればいい
『マルチョン名言集・格言集』
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン
善悪は、主体によってはじめて成立する。そして、主体は世界に属さない。それは世界の限界なのである
『マルチョン名言集・格言集』
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン
太陽が明日も昇るであろうとは一つの仮定である。すなわち、太陽が将来も昇るかどうか、われわれは知らない
『マルチョン名言集・格言集』
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン
「言語ゲーム」という語は、ここでは、言語を話すことが人間の活動の一部である、あるいは、生活形式の一部であるということを強調するべきものである
『マルチョン名言集・格言集』
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン
私たちが見ているのは、多くの類似性 ー 大きなものから小さなものまで ー が互いに重なり合い、交差してできあがった複雑な網状組織なのである
『マルチョン名言集・格言集』
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン
正しかったり誤っていたりするのは、人間が言うことである。そして人間は言語において一致する。それは意見の一致ではなく、生活形式の一致である
『マルチョン名言集・格言集』
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン
一つの言語を想像するということは、一つの生活形式を想像するということである
『マルチョン名言集・格言集』
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン
私は、私たちが言語と呼ぶものに共通する何かを挙げる代わりに、次のように言いたい。これら全ての事象が共通に持ち、それゆえに「言語ゲーム」という同じ名前で呼ばれるような、そういう共通項があるのではなく、これらの事象は互いに異なる様々な仕方で血縁関係にあるのである。そしてこの血縁関係 ー 一つとは限らない ー のゆえに、私たちはこれら全ての事象を「言語」と呼ぶのである
『マルチョン名言集・格言集』
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン
きみ自身がきみの世界だ。きみの生き方で、きみの世界はいくらでもよくなっていく
『マルチョン名言集・格言集』
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン
内心や胸の奥の気持ちといったものがそれほど重要なのだろうか。その人の表情や態度に表れているものよりも、本当に重要だと考えていいのだろうか
『マルチョン名言集・格言集』
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン
きみがいいと思ったら、それでいい。誰かから何と言われようと、事実が変わるわけじゃない
『マルチョン名言集・格言集』
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン
もともと言い表せることは明晰に言い表せる。そして語りえないことについては人は沈黙する
『マルチョン名言集・格言集』
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン
私があたえることのできそうな影響はといえば、なによりもまず、私に刺激されて、じつにたくさんのガラクタが書かれ、もしかしたらそのガラクタが刺激となって、いいものが生まれることかもしれない。いつも私に許されている希望は、このうえなく間接的な影響をあたえることだけなのだろう
『マルチョン名言集・格言集』
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン
語りえぬものについては、沈黙しなければならない
『マルチョン名言集・格言集』
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン
少なからぬ人々は、他人からほめられようと思っている。人から感心されたいと思っている。さらに卑しいことには、偉大な人物だとか、尊敬すべき人間だと見られたがっている。それはちがうのではないか。人々から愛されるように生きるべきではないのだろうか
『マルチョン名言集・格言集』
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン
人は欲しがっているものを本当に欲しいのではなく、別のものを手に入れたいと渇望している。たとえば、大型犬を欲しがっている人が本当に望んでいるものは自分が支配する力だというふうに
『マルチョン名言集・格言集』
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン
愛されると嬉しい。愛されないと淋しい。愛されなくても、愛することができれば満たされる。愛が欲しくて見つめる。少しでも愛が感じられれば、胸が暖かくなる。愛するものがあれば夢中になれる。そういう愛の代わりになるものはこの世に何もない。幸福と呼ばれるものの中には必ず愛が含まれている。いや、愛こそが幸福そのものなのだ
『マルチョン名言集・格言集』
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン
風が吹いてきて、木を揺さぶる。風は大木をも揺さぶる。わたしたちもそんな木々のようなものだ。つまらない考えに、くだらない考えに、どうしようもない思いに、心を揺さぶられている
『マルチョン名言集・格言集』
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン
人として弱いということは、生きていくうえで受けるべき苦しみを自分で受けとろうとしないことだ
『マルチョン名言集・格言集』
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン
信仰が人を幸せにすると言われれてきたことの意味がわかった。神にかしずいて謙虚に生きることによって、もはや人への恐怖感がなくなるからだ。ふだんのわたしたちはそれほど他人を恐れて生きている
『マルチョン名言集・格言集』
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン
どうしても苦しまなければならないというのならば、自分の中に住む善と悪の闘いにおいて善のほうに加担し、そこから生まれてくる苦しみに甘んじたい。自分の中に住む悪とまた別の悪の醜い戦いで苦しむよりずっとましだと思うから
『マルチョン名言集・格言集』
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン
地面にちょろちょろとしか生えていない雑草を引き抜こうとしても全く手に負えないときがある。大きくて複雑な根が土の中に深くはびこっているからだ。難問とはえてしてそういう厄介なものだ。今までのやり方で解決できるものではない。目に見えるところだけ対処していてもどうにもならない。根こそぎ引き抜く必要がある
『マルチョン名言集・格言集』
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン
考えるということは、要するに自分で何か映像をつむぎだしていくということだ。何かが、あたかも自分の眼にはっきりと映るかのようにしていくのが「考える」ことだ。どんな人でも、結局はそういうふうにして考えている
『マルチョン名言集・格言集』
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン
語り得るものについては明瞭に語られなければならない。語り得ぬものについては沈黙せねばならない
『マルチョン名言集・格言集』
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン
命題の本質は、新しい意味を伝えることである
『マルチョン名言集・格言集』
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン
「明日の朝がやって来る」というのは、単なる予想にすぎない
『マルチョン名言集・格言集』
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン
人びとが馬鹿なことをときどきしでかさなければ、賢明なこともまったくなされないことになる
『マルチョン名言集・格言集』
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン
哲学は自然科学の一つではない。「哲学」という語は自然科学と同レベルのものを意味するのではなく、自然科学の上にある、または下にあるものを意味するのでなければならない
『マルチョン名言集・格言集』
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン
哲学の仕事の本質は解明することにある。哲学の成果は「哲学的命題」ではない諸命題の明確化である
『マルチョン名言集・格言集』
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン
お前の哲学の目的は何か? それはハエにハエ取り器から脱出する出口を示してやることだ
『マルチョン名言集・格言集』
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン
思考はそのままではいわば不透明でぼやけている。哲学はそれを明晰にし限界をはっきりさせねばならない
『マルチョン名言集・格言集』
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン
哲学の目的は思考の論理的明晰化である。哲学は理論ではなく活動である。哲学の仕事の本質は解明することにある。哲学の成果は「哲学的命題」ではない。諸命題の明確化である
『マルチョン名言集・格言集』
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン
われわれが「意味」という語を用いる(全てではないにしろ)ほとんどの場合では、次のような定義が可能である。すなわち、語の意味とは言語におけるその使用のことである
『マルチョン名言集・格言集』
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン
本書の核心はほぼ次のような言葉で捉えることができるであろう。
およそ言いうるものは明瞭に言いえ、語りえざるものについては沈黙せねばならぬ。
かくして、本書は思考にある限界を定めようとする。
というより、思考にではなく、思考の表現に限界を定めようとする。
なぜなら、思考に限界を定めるためには、われわれはこの限界の両側を(従って思考されえぬものを)思考できねばならぬからだ
『マルチョン名言集・格言集』
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン
歴史が私にどんな関係があろう
『マルチョン名言集・格言集』
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン
世界と生は1つである
『マルチョン名言集・格言集』
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン
世界の中には、いかなる価値もない。仮にあるにしても、その価値にはいかなる価値もない
『マルチョン名言集・格言集』
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン
世界の価値は、世界の外側になければならない
『マルチョン名言集・格言集』
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン
全ての科学上の問いに、答えが得られようとも、自らの人生上の問いには、答えは出せないだろう。もちろん、そのときは、何も問いは残ってはいない。実は、まさしく、問いがないことが、答えなのである。人類は、問題の消滅の中こそ、人生の問題の解決を見る
『マルチョン名言集・格言集』
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン
太陽は明日も昇るだろうというのは一つの仮説である。すなわち、われわれは太陽が昇るかどうか、知っているわけではない
『マルチョン名言集・格言集』
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン
幸福な人の世界は不幸な人の世界とは別の世界である
『マルチョン名言集・格言集』
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン
答えが言い表し得ないなら、問いを言い表し得ない。問いが言い表し得るのならば、答えも言い表し得よう
『マルチョン名言集・格言集』
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン
私の心の限界が私の世界の限界である
『マルチョン名言集・格言集』
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン
わたしたちの最大の愚かさは、きわめて賢明なものである場合がある
『マルチョン名言集・格言集』
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン
およそ語られうることは明晰に語られうる。そして論じえないことについては人は沈黙せねばならない
『マルチョン名言集・格言集』
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン
世界がどうあるか、が不思議なのではない。世界がある、ということが不思議なのだ
『マルチョン名言集・格言集』
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン
私の言語の限界が私の世界の限界を意味する
『マルチョン名言集・格言集』
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン
およそ言いうることは言い得語りえないことについては沈黙しなければならない
『マルチョン名言集・格言集』
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン
哲学的混乱に陥っている人は、或る部屋の中に居てそこから脱出しようとしているが、しかしどうしていいか解らないでいる人、に似ている。彼は窓から脱出しようとするが、窓は高すぎる。彼は煙突から脱出しようとするが、それは細すぎる。しかし、もし彼が振り向きさえすれば、ドアはずっと開け放されていたのだ、という事に気づくであろう
『マルチョン名言集・格言集』
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン
哲学を勉強することは何の役に立つのか。もし論理学の深遠な問題などについてもっともらしい理屈がこねられるようになるだけしか哲学が君の役に立たないなら、また、もし哲学が日常生活の重要問題について君の考える力を進歩させないのなら、哲学なんて無意味じゃないか
『マルチョン名言集・格言集』
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン
哲学は思考可能なものを境界づけ、それによって思考不可能なものを境界づけねばならない
『マルチョン名言集・格言集』
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン
思考しえぬことを我々は思考することはできない。それゆえ、思考しえぬことを我々は語ることもできない
『マルチョン名言集・格言集』
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン
私たちはいつも直線的に物事を考える癖がある。世界がこれからどうなるかということを考えてみるときですら、いまの世界の動きがさらに進展していくという前提で未来の予想を立ててしまうのだ。いまの世界の動きから突如にして変貌していくとか、その都度世界が変化を続けていくといったふうに考えたりしないものだ。しかし、実際の世界はそういうふうに動いているのではないか